「クマ除けスプレーにも怯むことなく襲い掛かってきた」…秋田県では過去最悪の「死者2人」 地元県議が明かす「クマによる人身被害」の息を呑む実態

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爆竹やスプレーを怖がらない

――クマの性格にも変化はあるのでしょうか。

住谷:今までと変わったと感じるのは、爆竹を鳴らしてもまったく怖がらないクマが出現していることです。今年、鹿角市でクマに襲われた50代の男性は、実は私の知り合いなので、詳しく話を聞いています。

 彼は仕事に行っているときにクマに襲われ、とっさにクマ除けのスプレーをかけたそうです。ところが、それでもクマは怯むことなく、襲ってきたと証言しています。クマは賢いといいますから、人間の装備について確実に学習してきています。

――今までは、クマ除けの鈴を持っていれば大丈夫だ、というような話もありました。そういった対策を見直さないといけない時期にきているのかもしれませんね。

住谷:その通りだと思います。湯沢市で消防本部の防犯カメラに、侵入したクマが映っている映像がありましたよね。施設の関係者や、地元の猟友会の方に話を聞いたところ、どうも、街に出るクマは人に慣れている感じがするというのです。

 人を怖がらなくなってしまったクマに対して、どう対処するのかは、今後の重要な課題であると考えています。

 第2回【秋田県でクマが市街地に出没の“緊急事態” 飲食店は営業自粛も「クマを駆除すると役所にクレーム電話が殺到」で職員が疲弊】では、地元でクマ問題に携わる秋田県議会議員の住谷達氏に、いまだに相次ぐクマ駆除に対するクレームで現場がどう疲弊しているのかなどについて話を伺っている。

ライター・山内貴範

デイリー新潮編集部

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