田原総一朗「死んでしまえ」発言をそのまま流した「テレ朝」の責任 編集ができない「朝まで生テレビ!」は継続に不安の声も

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「朝生」にも悪影響

「田原さんは過激な発言で相手を焚き付けて問題発言を引き出すタイプのジャーナリストです。もちろん今回の発言はまずいのですが、そうしたスタイルに慣れたスタッフが危機管理よりも面白さを優先してしまったためではないでしょうか。いずれにせよ、あの発言を放送してしまった責任は、BS朝日とテレ朝にもあると思います」(鎮目氏)

 BS朝日は編成制作局長を懲戒処分にすることを発表したが、

「発言が問題となった段階で、BS朝日は田原さんをかばうべきでした。しかし、それがなかったため、編集の責任を田原さんに押しつける形になってしまったのです」(鎮目氏)

 田原氏は26日、今度は自身のXで公開した動画で謝罪した。卒寿も過ぎて頭を下げる姿は、ちょっと可哀想にも見えてくる。

「田原さんはBS朝日で『朝まで生テレビ!』の司会もしていますが、モヤモヤしたまま番組を続けると内容が萎縮してしまうことにもなりかねませんし、問題の再発がないとも限りません」(鎮目氏)

「朝生」は文字通り生放送であるから、編集のしようもない。もっとも、地上波で放送されていた頃と違い、BSに移ってからは朝まで生放送することはなく、夜7時から9時までの2時間番組となっている。

“テレ朝の天皇”と“ドン”が作った「朝生」

「BSの視聴者はシニア層が多いこともあり、朝まで放送するのは難しいですからね。しかも、テレ朝にとって『朝生』は“レガシー”と言っていい番組ですから、番組名まで変えるわけにはいかなかったんでしょう」(鎮目氏)

 かつての「朝生」は本当に朝まで放送されていた。1987年にスタートし、タブーを作らないテーマは激論を呼び、時にはケンカ状態になることもあった。それが番組の名物でもあったが、昨年9月に地上波での放送は終了した。その時点で、「朝生」も終わらせたほうがよかったのではないか。

「『朝生』はテレ朝の有力者たちが始めた番組ですからね、番組終了を若手が言い出すことなど難しいでしょう」(鎮目氏)

 番組を立ち上げたのは“テレ朝の天皇”といわれた当時の取締役編成局長・小田久栄門氏であり、現在“テレ朝のドン”と呼ばれる早河洋会長や報道局・情報番組統括担当部長を務める渡辺信太郎氏も担当した番組だった。「朝生」が評判を呼び、89年には「サンデープロジェクト」が始まり、それを引き継ぐ形で2010年に「クロスファイア」がスタート。確かにテレ朝にとって田原氏は功労者だが、そろそろ引退を進言してもいい頃ではないか。

「テレビ業界は功績のある方、お世話になった方をスパッと切ることができません。ジワジワとフェードアウトしてもらう形が少なくありません。ですから『朝生』も難しいでしょうね。とはいえ、田原さんがかつてのままのスタイルを続けるのも難しくなってきています。一度、仕切り直しを考えてもいい頃だと思います」(鎮目氏)

 田原氏自身が引退を表明するのが潔いようにも思えるが、

「田原さんは毎日働いていないと気が済まない人なんです。『放送中に死ぬ!』とも仰っていますから、それは難しいかもしれません」(鎮目氏)

デイリー新潮編集部

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