「従業員による不正行為が行われてきたことは事実」 タカラトミーに小売店は憤慨 さらに“隠蔽”疑惑も

国内 社会

  • ブックマーク

【前後編の後編/前編からの続き】

「リカちゃん」も、さぞ悲しんでいるに違いない。創業100年を超す国内屈指の玩具メーカー「タカラトミー」で、長年にわたり不正が横行し、発覚後も一切の公表がなされてこなかった。小売店に対する「詐欺行為」と、それに続く「隠蔽(いんぺい)」は、いかにして生じたのか。

 ***

 前編【「一般客を装い、売上データを…」 リカちゃん人形のタカラトミーで発生した組織的不正】では、タカラトミーが行ってきた不正について、その手法を紹介した。

 が、このように長期的かつ組織的な不正が横行し、社内調査から半年以上を経ても「隠蔽」が続いているのであれば、一連の行為は会社の体質に起因するものだと断じざるを得ない。

 社内で役員や管理職を対象に開かれた富山(とみやま)彰夫社長(41)の説明会の5日後、3月24日には、富山社長から一般社員に宛てて、

〈不正行為における懲戒処分対応に関して〉

 と題したメールが送信されていた。同社関係者によれば、

「降格や出勤停止など、社内で行った懲戒処分と共に、4月中旬に『コンプライアンスを考える日』を設け、全社員に不正事案と再発防止策について説明するとの告知が記されていました」

小売店は憤慨

 実際に、社長説明会の模様を編集した動画と事案の概要を記した文書が、社内の管理部門から全社員に宛てて送られている。

「『社外秘』と記されたこの文書によれば、不正発覚の端緒となった小売店から弊社に『第三者へ開示をしないように』依頼があったとのことでした」(前出の関係者)

 文書にはまた、

〈本件不正行為や本件調査の対象となった行為の関係者を探索する行為も、厳に慎むようにお願いします〉

 と記されており、

「これに違反すれば〈法人及び個人の責任問題に発展するおそれがあります〉などと『注意事項』が書かれていましたが、肝心の小売店は、被害を受けて大変憤慨していたといいます」(同)

次ページ:「何も対応を取ってこなかったのは問題」

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。