「自・維政権」誕生で日経平均は急上昇 次くる銘柄を見極めるポイントは「副首都構想」
「公明党ではこの上昇はなかった」
紆余曲折の末にスタートした「自・維政権」を、株式市場は大歓迎した。10月20日、「連立合意に署名」が報じられると、日経平均株価は1603円も急騰し、翌日の高市早苗氏の首班指名後は、約130円の上昇となった。
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この急騰で注目すべきは「高市トレード」を支えた日本維新の会の存在だ。
「株価が急騰したのは、当然ながら維新が連立に参加したことが大きい。公明党がとどまっていたら、この上昇はなかったでしょう。一方、ここから大事なのは、維新が連立協議で突き付けた12項目の要求と、自民党と交わした連立政権合意書の内容です」(証券会社幹部)
合意書は、高市氏が掲げている政策と重なるものも多いが、維新が熱望しているのが「副首都構想」だ。国会はもちろん、行政を補完できる機能(建物や官庁組織)がつくられるとしたら、移転費用だけで4兆~7.5兆円ともいわれる経済効果がある。
ファイナンシャルプランナーの深野康彦氏が言う。
「維新の吉村洋文代表は、大阪の他に福岡も副首都の候補に挙げていますが、やはり、本命は大阪でしょう。副首都を建設することになれば、当然、広大な土地が必要になる。どこが候補地になるかで、上昇する銘柄も変わってきます」
かつての“IR銘柄”も?
参考になるのは、2年前に政府が大阪府・市の整備計画を認定したIR(統合型リゾート)だ。すでに万博会場の隣で工事が始まっているが、大阪に決まったことで、ベイエリアに不動産を保有する杉村倉庫などの倉庫株が急騰したことも。
「また、当時は関西系のゼネコンの淺沼組や海洋土木に強い五洋建設、若築建設が大きく上昇しました。大阪の湾岸地区にはIR予定地の他にも広大な敷地がある。こうした場所が候補地となったら、かつての“IR銘柄”も再上昇するかもしれません」(深野氏)
もう一つ、合意書で重要なのは「給付金付き税額控除」の導入と、飲食料品について、2年間に限り消費税の対象としないことを視野に法制化の検討を行う、という文言だ。
「これも実現すれば、インパクトは大きい。特に食品スーパーに大きな恩恵があるはず。ぱっと挙げるだけでも、ベルク、マックスバリュ、ライフなどが注目です」(同)
もっとも、証券界には、こんな格言もある。
〈うわさで買って事実で売れ〉。すでに4月、日銀は株価の振幅が大きくなっているとレポートで発表している。新政権が動き出したら「高市トレード」もおしまい、なんてこともあるかもしれない。


