三谷幸喜の“昭和”ドラマが大爆死のワケ 好評だったレトロ「ふてほど」と何が違うのか

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「もしがく」

 秋の目玉として今月1日に始まったフジテレビ系連続ドラマ「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(水曜午後10時)が大爆死の気配だ。脚本は同局系「王様のレストラン」「古畑任三郎」やNHK大河「真田丸」「鎌倉殿の13人」などで知られる三谷幸喜。25年ぶりに民放ゴールデン帯に携わるということで話題が先行したが、視聴率の悪化に歯止めがかからない。

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 作品の印象について放送ライターがこう明かす。

「『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』(以下、『もしがく』)は好景気に沸く1984年の渋谷を舞台にした青春群像劇で、実際に小劇場で働いていた三谷の半自伝的ストーリーです。渋谷の小劇場を主な舞台に不器用な若者たちの苦悩と挫折、恋模様をエネルギッシュに表現することで『三谷ワールド全開で笑いと涙いっぱいに描きます』とHPでアピールしていますが、1話から4話まで見た限り、笑いや涙より退屈さが先に来てしまいました」

 視聴率は完全に下落トレンドに入っている。第1話は世帯5.4%、個人3.1%、第2話は世帯4.4%、個人2.3%、第3話は世帯4.0%、個人2.2%、第4話は世帯3.7%、個人2.2%とダダ下がり。大ヒットを夢見たフジ幹部は真っ青だろう(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

「三谷幸喜の25年ぶりの民放ゴールデン帯とあって主演の菅田将暉のほか、二階堂ふみ、神木隆之介、浜辺美波、アンミカ、市原隼人、小池栄子、菊地凛子、小林薫、井上順ら超大物が勢ぞろいしました。その割りには期待したほどの盛り上がりはなく、感情移入も難しい。そもそも『大物脚本×豪華キャスト』という看板がかえって“肩に力が入りすぎて、とっつきにくい古臭い作品”という印象を与えているのです」(前出の放送ライター)

 1984年の渋谷のストリップ劇場が舞台という設定は、その時代を知るシニア層には興味をもたれるかもしれない。だが、水曜午後10時という時間帯のコア視聴者にとって、演劇自体が日常的な題材ではなく、現代の若年層はさらに距離を感じてしまう。

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