国民民主「玉木代表」に「首相になれるチャンスをみすみす逃す政治家は初めて見た」の声も…識者が「公約を実現する一番の近道は首相になること」と指摘する理由

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 第1回【高市内閣の支持率「70%超え」の一方で国民民主は「ほぼ半減」…ブレずに判断してきたのに“玉木ショック”が起きたのはナゼか】からの続き──。ネット上では国民民主党の玉木雄一郎氏に対して「なぜ自民党と連立を組まなかったのか」という批判が相次いでいる。(全2回の第2回)

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 例えばXを見ると《連立に入って政策実現をして欲しい支持層が離れたな》、《首班指名を高市氏にするかわりに今まで言っていた政策を実現する動きを見せていれば、今ごろ支持率更に爆上がり》──という投稿が次から次へと表示される。

 だが、政治アナリストの伊藤惇夫氏は「私は逆だと思います。玉木さんは国民民主党と立憲民主党の連立協議を推し進め、日本維新の会も加えた野党統一候補として首班指名に臨めるよう尽力すべきだったと考えています」と言う。

「立憲民主党は首班指名で『玉木さんの名前でいい』と提案しました。これで玉木さんが首班指名で首相に選ばれる可能性が浮上したわけです。当たり前ですが、首相は日本における最高権力者です。首相の権限がどれほど強いかは、大臣を罷免することができることからも明らかでしょう。自分の意に沿わない大臣はクビにすることができるほどの権力を持っています。仮に立憲民主党と政策面で齟齬があったとしても、玉木さんが首相としてリーダーシップを発揮すればいいだけの話です。何より玉木さんが選挙で公約した政策を実現する一番の近道は首相になることです。玉木さんが首相になることは国民民主党に投票した有権者に対する最も誠実な態度だったはずなのです」

「覚悟はあっても、やる気はない」

 国民民主党の支持母体である連合の芳野友子会長が8日、「連立入りについては容認できない」と玉木氏に釘を刺した。「連合に言われたら従うしかない」と玉木氏を擁護する声も少なくないが、伊藤氏は「それも違うのではないでしょうか」と否定する。

「もし玉木さんが本気で自民党と連立を組みたかったとします。実際、高市さんが自民党総裁選に勝利した直後は、そんな雰囲気もありました。ならば玉木さんは連合の芳野会長に自分の考えを分かってもらおうと努力したのでしょうか。面談を要請し、『自分が望む政策を実現するためには自民党と連立を組むべきだと考えている。理解をお願いできないか』と直談判に及べば、それだけで世論の受け止めは変わったはずでしょう」

 玉木氏が立憲民主党と日本維新の会との連立に尽力する姿勢を見せていれば、たとえ連立が失敗したとしても評価する有権者はいたかもしれない。今のように「玉木氏が何をしたいのか分からない」とか「玉木氏は決断力に乏しくて失望した」という批判がSNSに殺到する事態にはならなかったはずだ。

 玉木氏は10月10日、「首相を務める覚悟はある」と発言した。これを伊藤氏は「覚悟はあったかもしれませんが、やる気は感じられませんでした」と指摘する。

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