八重歯が80年代アイドルみたい 「高市内閣」の最重要大臣「片山さつき財相」の青春 「男の子って保守的なんです」
「男の子って保守的」
「父は宇都宮大学の教授で、彼女は一人っ子だ。母親も東京女子大卒。放任主義で自由に育てられた。高校は教育大附属。ここを文系のトップで卒業した。大学ではサッカー部のマネジャーを務める」
東大(法)1年生の時には、小説も執筆している。タイトルは「tomorrow」。オートバイが好きでアタマの空っぽな10代の男の子と、車に乗ったカップルの話で、女性のほうは“愛に満たされていない”のだが、しまいにオートバイと車が衝突してみんな死ぬ――というストーリーだ。
卒業前年の秋には、女性雑誌「non-no」にも登場している。大蔵省入りが話題になったのではなく、「キャンパス・ファッション特集」に取り上げられたのだ。当時、彼女は、こう語っている。
「最近の東大女子学生気質っていうのも変わってきたと思いますよ。サバけてきたし、カワイくなってきたし、コンプレックス持ってないでしょう」
では男子学生はどうか、と問われると、
「男の子は昔からのイメージのままかもしれない。男の子は、みんな前に誰かやってしまってるでしょう。女の子の方がパイオニアになれる。ううん、女性だからっていう物珍しさだけじゃなくて。男は発想がコンサバティヴ(保守的)なんです。どうして男の子って保守的で通りいっぺんの考え方をするのかな」
のちに「保守派」と目されるとは思ってもいなかっただろう。
もちろんこんな話に終始しているわけではない。大蔵省にキャリアの女性が入省したのは昭和41年が最初で、以後、3人しか入省していないという時代である。極めて狭き門を突破した片山氏はパイオニアとして、次のように意気込みを語っていた。
「仮に結婚して子供ができても、子供は親に預けて働くつもりです。親と同居しない場合は、子供が小さいうちは預け切りになるでしょうね」
大蔵省に入省した片山氏は主税局調査課からスタートし、順調に経験を積む。23年間の勤務の後、2005年、いわゆる郵政選挙で自民党候補として出馬して当選。それから20年たち、古巣にトップとして戻ることになったわけである。学生時代から見せていた多才ぶりも発揮しながら、成果を上げることが期待されている。






