「小泉防衛相」は危機管理で真価を問われ、「林総務相」には官邸から睨みも…支持率70%超「高市内閣」分析
耳目を集める赤沢経産相の横滑り
林氏は総務相だ。2年後の次期総裁選を目指して「全国を回れるポストなら受ける」という異例の希望を表明して話題となった。そして、その要請を受け入れた形になったのも、また異例である。粋な計らいと言うべきか。ただ、総務相は高市氏も歴任している。官邸から常に睨みを利かせられるポストゆえの起用ではないかという邪推も成り立つ。
耳目を集めるのは、赤沢亮正氏が経済再生担当相から経済産業相に横滑りしたことだ。赤沢氏は今春以降、日米関税交渉の担当として知名度を上げた。そして、退いたばかりの石破茂前首相の側近であり、挙党体制の一環となる。
もっとも、日本政府は関税交渉に伴って生じた、約80兆円の対米投融資が課題となっている。赤沢氏が経産相として閣内残留したのは、理にかなうのだ。高市首相は1986年の日米半導体協定など、通商交渉に造詣が深い。自身が渡米する前後の出来事であり、その後も深く考察しているためだ。
赤沢氏が対米交渉から帰国した今年4月、高市氏はSNSで「疲労でフラフラだと思いますが、よく頑張ってくださった」とエールを送った。そして、おそらく風貌からか、これまで赤沢氏を本人の承諾の上で「カブトムシ」の愛称で呼んでいたと明かした。さらに、国家の大役を担う立場になったとして「オオカブトムシ」に変更したとしている。今回、高市首相はオオカブトムシの上司になったのだ。
高市、石破両氏はいずれも若手のころ、同時期に新進党に在籍している。政治的スタンスに違いはあるものの、遠からぬ因縁がある。また、赤沢氏にとっては、経産相は重要閣僚への「栄転」となる。首相候補として名乗りを上げる道筋をつけつつある。
目立つ旧茂木派メンバー
このほか、非主流派的立場となった旧岸田派からは、林氏のほか、金子恭之氏が国土交通相で、石原宏高氏が環境相で入閣した。挙党一致への腐心がうかがえる。
もっとも、旧派閥で見ると、旧茂木派メンバーが目立つ。茂木敏充氏が外相、木原稔氏が官房長官、牧野京夫氏が復興相、鈴木憲和氏が農相、平口洋氏が法相、そして【後編】で記す目玉人事の小野田紀美氏が経済安全保障担当相に起用された。総裁選で高市氏が決選投票を制したことへの貢献度を推し量ることができそうだ。
【後編】では、わずか2人の起用に終わった女性閣僚人事の意味などについて読み解く。







