目前に迫った「安倍元首相」銃殺事件の初公判…「高市首相」が“心神衰弱状態”に陥ったお膝元での“惨事” なぜ安倍元首相は奈良を訪れたのか
10月21日、自民党の高市早苗総裁は国会で首相に指名され、高市政権が発足した。奇しくも同じ日、安倍晋三元首相を銃撃し、殺人罪で起訴された山上徹也被告の公判前整理手続きが奈良地裁で行われた。今回で9回目の整理手続きとなり、争点などが決まった。これで整理手続きは終了し、初公判は10月28日に開かれる予定だ。(全2回の第1回)
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【写真】高市早苗総理がおよそ20年前に、「再婚夫」と最初に結婚した時の「ウェディングドレス姿」
高市氏と安倍氏の関係は深かった。そもそも高市氏は第1次安倍政権で特命担当大臣として初入閣を果たしているものの(註)やはり2人の関係が本格的に注目されたのは“政権復帰前夜”だろう。
自民党が野党だった2012年9月、党総裁選が実施された。高市氏は安倍氏支持を表明して、推薦人にも名を連ねた。安倍氏が総裁に選出されると12月の衆院選で自民党は大勝し、政権復帰を果たした。
首相となった安倍氏から高く評価された高市氏は女性初の党政務会長、女性初の総務大臣と重要ポストを歴任。2021年の党総裁選に初めて立候補すると、安倍氏は全面的な支持を表明する。
ところが、安倍氏は2022年7月8日、奈良市の近鉄大和西大路駅で街頭演説を行っていたところ、山上被告の銃撃により命を落とした。
衆議院議員としての高市氏は基本的に奈良市の一部を地盤としてきた。自らのお膝元で安倍氏が銃殺されたことが、彼女に凄まじい衝撃をもたらしたことは想像に難くない。
デイリー新潮は2022年7月16日、安倍氏の“暗殺事件”によって、高市氏が強いショックを受けている様子を報じた。高市氏の政治的ターニングポイントとなった“事件”について、首相就任というタイミングで改めて振り返ってみたい。
“心神衰弱状態”だった高市氏
(以下はデイリー新潮が2022年7月16日に配信した記事を加筆、再編集しています。年齢や肩書は当時のものです)
安倍晋三元首相(享年67)が奈良市内で射殺された事件で、自民党の高市早苗政調会長(61)は12日、Twitterで“医大との連絡役”を務めたと明らかにした。
まずはツイートをご紹介しよう。
《金曜日は九州出張を取り止め、翌朝まで、安倍元総理が搬送された奈良県立医大との連絡役を続けました。昭恵夫人が病院に到着するまで生命維持処置をお願いしたことが正しかったのか否かと苦しみ抜きました》
射殺事件の現場となった近鉄・大和西大寺駅前は、衆院選の選挙区では「奈良1区」となる。担当記者が言う。
「奈良1区は立憲民主党の馬淵澄夫国対委員長(61)の地盤です。高市さんは隣の奈良2区で選出されていることもあり、“連絡役”を務めたのではないでしょうか」
生まれ育ち、政治家としても地盤を持つ奈良県で、安倍元首相が殺害された──高市氏の精神的なショックは相当なものがあったようだ。
《安倍晋三元総理の御葬儀が終わりました。先週金曜日の事件発生以来、殆ど眠れず、食事も吐いてしまい、両親を亡くした時にも経験しなかった心身衰弱状態でした》
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