「さしせまって金が入要にて…」 坂口安吾が愛する女性のために書いたとされる“手紙”を初公開
半同棲中の女性
当時安吾には酒場で知り合い半同棲中の女性がいた。後に妻となる梶三千代である。その三千代が盲腸炎から腹膜炎を起こし、緊急手術の必要が生じる。1カ月間の入院期間中、安吾はつきっきりで看病したのだが、「金が入要」とは三千代の入院費だったと考えられている。
結果として、中央公論社から出る予定だった本は『堕落論』の書名で銀座出版社から刊行され、大ベストセラーに。三千代は無事退院し、安吾と事実上の結婚生活に入る。
ほかにも、安吾の象徴ともいえる丸眼鏡や愛用のステッキなどの貴重な遺品や直筆原稿がズラリ。
『白痴』『不連続殺人事件』などベストセラーを連発し、睡眠薬中毒、税務署との対決、カレー100人前事件など、私生活でも数々の伝説を作った作家の48年の生涯を知るのは、読書の秋にピッタリかもしれない。









