「“女優の顔”の行為画像が2万点も…」 初摘発の「AIわいせつ画像」 容疑者の素顔

INCIDENT 国内 社会

  • ブックマーク

日本人の被害者数は世界3位

 まさに野放し状態である。

「にもかかわらず、今年9月に全面施行されたAI法には直接的な規制も罰則も設けられていません。AIの研究開発促進とリスク対応のバランスを重視した結果です。アメリカの団体の調査では、一昨年にネット上で確認された生成AIによるわいせつ動画の被害者のうち、日本人は10%を占めているのに、です」

 これは韓国人の53%、アメリカ人20%に次ぐ3番目で、

「韓国では画像の作成はもちろん、保存や所持、見たりするだけで罪に問われるようになっています。アメリカも、本人の同意を得ない性的な画像や動画の投稿を犯罪と見なす連邦法が今年5月に成立しました。SNSなどの運営会社に被害者が要請した場合、48時間以内に削除することが義務付けられています」

 日進月歩ならぬ“秒進分歩”の勢いで性能が向上している生成AI。高性能ゆえの犯罪が後を絶たないという皮肉が生じ、日本の法整備は中途半端。困った世の中になったものである。

週刊新潮 2025年10月30日号掲載

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。