「ペットボトルを投げるなんてザラ」 片山さつき財務相のパワハラ伝説 新閣僚で注目すべき人物リスト

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スパイ防止法制定に向けた人事

 国対族として与野党に人脈を持つ遠藤氏だが、

「議員宿舎で『たこ焼きパーティー』をよく開いているという話。国会議員だけではなく、霞が関の官僚も顔を出すそうです」(前出の維新の会関係者)

 遠藤氏本人が語る。

「自民党幹事長代行の萩生田(光一)さん、木原さんら幹部の方と付き合いがあるのは維新で僕しかいないんでね。高市さんとの関係も僕にしかない。国民生活に関わることなので、僕自身も腹をくくってやるしかないな、と」

 だが、腹に力を込めているのはそう、高市氏も同じだ。総理番記者が言う。

「高市氏は官邸人事で第2次安倍政権の再現を画策しました。今井尚哉、佐伯耕三の元首相秘書官コンビのほか、北村滋元内閣情報官にも首相秘書官などへの就任を打診したといわれます。が、全員から断られてしまった。ただ今井氏は自身の代わりに、経産省の後輩にあたる飯田祐二前事務次官を推薦。飯田氏は総理の補佐役筆頭格の政務担当首相秘書官に就任しました。それなりの人物を脇に配した形です」

 事務担当の官房副長官には露木康浩氏が当てられた。こちらも前警察庁長官という大物官僚である。

「高市氏は今年5月、自民党の『治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会』の会長として、スパイ防止法の導入を含む治安強化に向けた提言をまとめています。露木氏とはその調査会で接点を持ったようです。高市氏が念願とするスパイ防止法制定に向けた人事と言っていいでしょう」(同)

パワハラ伝説で知られる片山氏

 麻生副総裁に支えられつつ、首相肝いりの役人配置でスタートした高市政権。

 その前途はしかし、多難だというほかない。

 政治ジャーナリストの青山和弘氏が言う。

「衆院で自維両党は計231議席です。過半数の233議席に2議席足りないだけで、自公の計220議席よりも安定したのは間違いありません。とはいえ維新は閣外協力にとどまり、内閣に責任を負うわけではない。高市政権が議員の定数削減などに本気でないと見れば、連立解消もあり得るでしょう。先行きは不透明です」

 組閣で一番の驚きを呼んだ片山財務相と小野田経済安保相についても、

「片山氏はパワハラ伝説で知られ、意に沿わないことがあるとペットボトルを投げるなんてザラ。ご存じ大蔵省OGですが、財務省に受け継がれる歴代パワハラ職員を記した通称『恐竜番付』で、主計官時代は『前頭筆頭』、退官後も『おかみさん』として掲載されていた。小野田氏は“2次元の相手しか愛せない”と公言、言い寄ってくる人には“正直殺意がわく”と言い切る個性派です」(政治部デスク)

 総裁就任後、高市氏はみるみる痩せたという。

「この間、高市さんは連立協議を行いながら人事構想を練らねばならず、深夜でもメールをやり取りするなど明らかに過労気味でした。かねて関節リウマチを患っていることもあり、健康状態を案じる声も上がっています」(前出の自民党関係者)

 天気晴朗なれども波高しと言うが、これでは空模様とて万全とは言いがたい。いよいよ出帆した高市政権。眼前の波頭は誠に高い。

 前編【「高市さんから吉村代表に電話をかけてもらった」 高市早苗氏を救った維新サイドからのメールの内容とは】では、維新との連立の背景について詳しく報じている。

週刊新潮 2025年10月30日号掲載

特集「自・維連立の全内幕 やっと発足した高市政権 危険な船出」より

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