山尾志桜里氏が高市首相にエール「女性初総理を祝福できないリベラルの自己矛盾」「今回玉木さんは総理を目指さなくて良かった」

国内 政治

  • ブックマーク

「リアリズムに立つ中道政党」の必要性

 ただ今後の備えとして、国民民主党には「穏健保守からリベラルまでを包摂する改革中道政党」という綱領にもう一度戻ってほしいとは思います。憲法や安全保障やエネルギーに関する現実路線は評価できる一方、参院選の公約で外国人排斥を助長するような表現を用いて撤回に追い込まれたり、玉木さん自身が党代表として「反対する理由は見当たらない」と明言してきた同性婚について結論の先送りを続けたりしているのは残念です。

 自民と維新が協力を強めて政権与党を担い、野党をみれば参政党や日本保守党がいわゆる岩盤保守層を分け合い、他方で立憲民主党が「リアリズムに立つ中道政党」に脱皮できない以上、この空洞を埋めるのは本来的には国民民主党の役割ではなかったのでしょうか。岩盤保守層を追いかけてそのパイを取り合うよりも、中央に空いている「リアリズムに立つ中道政党」のニーズを捉えてほしい。

 もし国民民主党も立憲民主党もその任を担えないのであれば、このニーズを捉える政党が現れ、自民・維新の「連立」政権に対して緊張感をもたらす政治勢力として進展してほしい。

 それがいつどのように現れるのか全く不透明な今、まずは自民・維新政権の船出に期待し注目しています。

 後編【【寄稿】山尾志桜里氏が自維政権へ提言「憲法と皇室問題は国民的合意がカギ」「与党協議より超党派の議論を前に進めよ」】では、山尾氏が12項目の「連立政権合意書」を読んで抱いた懸念について取り上げている。

山尾志桜里(弁護士・国際人道プラットフォーム代表理事)
仙台生まれ、東京育ち。東京大学法学部卒業後は検察官に任官。2009年より3期10年衆議院議員を務め、待機児童問題・皇位継承問題・憲法問題・人権外交などに取り組む。現在は弁護士、一般社団法人国際人道プラットフォーム代表理事、「人権外交を超党派で考える議員連盟」アドバイザー、対中政策に関する国際議員連盟IPAC(Inter-Parliamentary Alliance on China)日本ディレクター。著書に「立憲的改憲」(ちくま新書)。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。