“伝承する責任”を背負って… 寄席紙切り「林家二楽さん」が芸を極めた理由【追悼】

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 物故者を取り上げてその生涯を振り返るコラム「墓碑銘」は、開始から半世紀となる週刊新潮の超長期連載。今回は9月27日に亡くなった林家二楽(にらく)さんを取り上げる。

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 寄席の魅力は落語だけではない。「紙切り」は噺(はなし)の合間の彩りとして演じられる芸の一つだ。

 客席に注文を問いかけ、それに応じて一枚の白い紙にハサミを入れていく。動物、お祭り、話題の人物など求めは予測がつかない。下書きなどない即興で、わずか1~2分のうちに巧みに切り抜いた紙を黒い台紙の上に載せて披露。...

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