「こじるり再起動」が刺さらない理由……「強くて明るい彼女」に、なぜ人はモヤモヤするのか
タレントの小島瑠璃子(31)が芸能活動再開を発表した。かつてのバラエティー女王は再び芸能界に居場所を見つけることができるのか……。ライターの冨士海ネコ氏は、彼女の「賢さ」を評価しつつ、待ち受ける道は厳しいのではないかと分析する。
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小島瑠璃子さんが芸能活動再開を宣言。ただし肉声で発信した場は、かつて彼女が「無双」と呼ばれるほどの人気を誇ったテレビやラジオといった「オールドメディア」ではなく、YouTubeチャンネルの「ReHacQ」だったというのも彼女らしい。時代の風が吹いている方をそつなく選び、上昇気流に乗っていく立ち回り力は、さすがのこじるりという印象を受けた。
進行役の男性の目をしっかり見て、テンポ良く答える。芸能活動のハイライト、芸能活動を休止して中国留学を決めた理由、スポーツ番組で培った技術が選挙特番に生きたこと……。想定内の質問と言わんばかりに軽やかに表情豊かに話す姿は、2年半のブランクなど感じさせない。
こじるりという人は、常に「見えている」タレントだ。その場にいる相手の空気を読むのが異常にうまい。それはバラエティー番組や選挙特番で「無双」した要因であると同時に「計算高く見える」要素でもある。
今回の対談で全編通して繰り返されたのは「人に恵まれている」「守られている」「幸せ」というポジティブなワードであり、プライベートや自分の本音を語ることよりは周囲への感謝を伝える場として使いたい、という意思を感じさせる。ただ、かといって単なる「礼儀正しいお嬢さん」ではなく、「欲しいものは手に入れてきた」半生というのがこじるりの面白いところでもあり、鼻につくところでもあるのだろう。
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