「こじるり再起動」が刺さらない理由……「強くて明るい彼女」に、なぜ人はモヤモヤするのか
シングルマザー群雄割拠の芸能界でこじるりの立つ場所とは?
だからこそこじるりは、かつてのような「才女」ポジションに戻るのは難しいだろう。何をやっても「計算」「野心」とみられてしまい、過度なポジティブ売りも「無理している」と敬遠されてしまう。上へ上へと昇り続けてきた分、今は「どこに根を張るか」が問われているのだ。
そもそも芸能界はいま、剛腕のシングルマザーだらけである。こじるりも個人事務所を立ち上げたばかりだが、「美女ママ実業家枠」ではMEGUMIさんの活躍が目覚ましく、バラエティー界を席巻している。他には紗栄子さんやpecoさんはファッションリーダーとしても人気があり、女優では長谷川京子さんに吉瀬美智子さん、そして広末涼子さんもいる。これだけ個性的な面々の中、こじるりならではのポジショニングというのはなかなか難しいと言わざるを得ない。かといって計算高さを「あざとさ」に転化し、恋愛トーク一本でバズるには、インフルエンサーたちのあけすけさにはかなわない。森香澄さんら独身女性たちのフィールドに殴り込みをかけるとしても、シングルマザーという属性は足かせになるだろう。
テレビ業界では、20代で「旬」を逃せば次のチャンスはない。そんな空気の中で走り続け、宣言通りに仕事も結婚も出産もかなえてきたこじるりのバイタリティーはすごい。タレントよりもむしろ政治家向きだと思うのは私だけだろうか。
かつては「出しゃばり」と言われたその前のめりさが、社会のために動く「推進力」に変わる日が来るかもしれない。芸能界に戻るのか、政界に進むのか、それとも企業の顔として再起するのか。いずれにせよ、たたかれようが笑われようが、彼女はまたカメラの前でほほ笑むだろう。
こじるり無双、再び。次はテレビの中か、それとも選挙ポスターの中だろうか。





