「社員は泣いて喜んでいた」万博出展の森永乳業、社長が明かす意外な「次なる海外戦略」とは 「東南アジアではピノやヨーグルトよりも…」
ピノなどのアイスクリームから様々なヨーグルト製品をはじめ、一般消費者になじみ深い“ロングセラー商品”を抱える森永乳業。大阪・関西万博に出展したことも話題になったが、次なる戦略について社長に直撃すると、意外な海外戦略の内幕が明るみになった。
※本稿は「週刊新潮」2025年10月23日号【経済アナリスト森永康平のビジネスリーダーにドロップキック!】の対談記事を再編集したものです。
「社名よりもブランド名が先行しがちな会社で、皆様の商品イメージが『森永乳業』となかなか結び付かないところがあります。実際はロングセラーが多いんですよ」
そう話すのは、森永乳業の大貫陽一社長。リプトンやマウントレーニアなどの飲料のほか、ピノやPARM(パルム)などのアイスクリーム、アロエヨーグルトやパルテノなどのヨーグルト商品が広く知られているが、その製造元までがすぐに頭に浮かぶだろうか。
そんな同社には今、新たな“追い風”が吹いている。
「昨今は『腸活ブーム』の波が訪れています。当社は長年ビフィズス菌の研究に注力しているので、その効果がまた注目されるようになってきたのはありがたいです」
一般消費者になじみ深いビヒダスなどのヨーグルト、あるいは機能性表示食品も含め、様々なビフィズス菌関連商品を販売している。こうした認知を広めるべく出展したのが、大阪・関西万博だ。
「想像以上の盛況ぶりで、皆さんの『腸』への関心が高まっているのだなと感じました」
と手ごたえを語る大貫社長。実はもともとは関西の支店の若手社員から上がってきた提案で、社長に対する直談判が実ったものだという。
「どちらかというとおとなしいタイプの社員が多い会社なのですが、これは珍しいことだなと思い、『よし、やろう』と決断しました。実際に出展が決まったら、プレゼンした社員は泣いて喜んでいたと聞きました。良い意味で新しい風が社内に吹いた感じがして、嬉しかったですよ」
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