「学会票がなくなった選挙がどうなるのか…」 自民議員が打ち明ける不安 「一気に2万票は減る」
【前後編の後編/前編からの続き】
突如突き付けられた離縁状に高市早苗自民党総裁(64)は動揺の色を隠せなかった。26年続いた自公連立の崩壊。高市氏が事態を軽視していた一方、公明党の支持母体・創価学会の側にも利己的な計算があった。顔色を失う自民党議員。政治の一大転機の裏に一体何が。
***
【秘蔵写真】「白無垢姿」の高市氏。「花嫁」に扮した25年前のレアショット
前編【「高市さんは目を見開いて“ホンマに!?”と…」 自公連立解消のウラ側 一方、「高市氏はタカをくくっていたフシが」の指摘も】では、公明党の連立離脱について初めて聞いた際の高市氏の反応などについて報じた。
連立離脱が決まった10日午後、古屋圭司選挙対策委員長(72)に連絡すると、
「忙しいなんてもんじゃない。(台湾の建国記念日にあたる)双十節を祝うために台湾へ行っていたんだけど、頼清徳総統との会談もキャンセルして今、日本に帰国したところだ」
そこには、虚を突かれた執行部の動揺がうかがえる。
とはいえ、公明党の動きについて古屋氏は、
「昨日(9日)の午前中から、公明党の仲良くしている議員や幹部から頻繁に連絡が入っていて、分かってはいた」
「協力関係が限界を迎えているのは明らかだった」
ならばなおさら、高市氏以下執行部が事態を重大視していなかったということにならないか。ただ公明党にも、優れて“自分たちの事情”があった。
「来たるべき時がついに来たな、という印象です」
とは、創価学会の問題に詳しいジャーナリストの乙骨正生氏だ。背景にあるのは、創価学会の“体力”の衰えだという。
「公明党員は基本的に全員が学会員です。問題はその学会員が高齢化し、かつ減少傾向にあることです。2005年の衆院選で公明党は、比例区で過去最高となる898万票を獲得しましたが、今年の参院選では521万票にまで落ち込んでいます。組織が弱体化しているのです。選挙での自民党との協力関係が限界を迎えているのは明らかでした」(同)
公明党は堅固な組織力と綿密な情勢分析で知られ、選挙では“不敗神話”を築いてきた。しかし、昨年の衆院選では自民党の裏金問題が直撃し、11の小選挙区に候補を擁立したものの、石井啓一前代表(67)ら7名が落選。今年の東京都議選でも22名を擁立して3名が落選。さらに先の参院選では改選14議席中、6議席も失う結果となっている。
政治部デスクが言う。
「公明党は参院選での大敗を受け、斉藤鉄夫代表(73)や西田実仁(まこと)幹事長(63)らが地方に赴いて党員らの声に耳を傾ける『方面別懇談会』を実施しています。その場でも繰り返し、自民党との関係を疑問視する声が上がったといいます」
[1/3ページ]


