「料理の鉄人」小山薫堂氏が手がけた若手料理人コンペ 頂点に立った「佐渡島出身34歳シェフ」の思い
「伝統を途絶えさせたくない」
審査の結果、栄冠は新潟・佐渡島出身の須藤良隆氏の手に。島にあるフランス料理店のシェフで、大阪、長野、本場フランスで修業した34歳。勝負の一品は「佐渡の埋もれる宝」で、真ふぐを塩麹でマリネし、佐渡の金に見立てた黄金色のふぐの子の粕漬けを添えて、発酵のうま味と文化遺産をマリアージュさせたという。
須藤氏は「佐渡には世界に類を見ない食文化があります。ふぐの卵巣の粕漬けなど技術を受け継ぐ職人はほんの数人しかいない。伝統を途絶えさせたくありません」とプレゼンして割れんばかりの拍手を受け、受賞後、「賞金は佐渡と新潟に一部を寄付し、食を通じて地域の発展に協力していきたい」と語り、これまた会場をうならせた。
世界が注目する万博での栄誉はまさしく明るい未来への希望を抱かせるのだった。





