立憲民主の「終わり」が始まった! “ひとまず政権交代”戦略の浅はかさ

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立憲の奇襲

 公明党の連立離脱を受け、にわかに盛り上がり始めた「首相指名選挙」。立憲民主党が「政権交代ありき」で動く中、各野党はどう動くのか。自民党の高市早苗総裁以外の候補の指名の可能性はあるのか、お伝えする。

「立憲の幹事長が安住淳氏に代わって、これまでになく戦闘的なアプローチになりましたね。首相指名選挙で立憲代表の野田佳彦氏ではない名前でもいいから“統一候補にしたい”というのは政治的な腕力がなければできないことです。安住氏は当選10回、民主党政権時代に財務相も経験し、国会対策委員長歴も長く、与党が困りそうなところを突っつくのは得意で、その能力を発揮して与野党をかき乱しているように映ります」

 と、政治部デスク。野党側の首相指名の統一候補として筆頭に挙げられているのは、国民民主党の玉木雄一郎代表だ。

立憲は“想定内”

 しかし、玉木氏は13日に自身のXを通じて「首相指名選挙では安全保障政策の一致が必要だ」と訴えた。立憲は安全保障関連法について「違憲の部分があり廃止すべきとの主張を続けている」とも指摘し、「この点を曖昧にしたまま政権を担えると本気で考えているのか。自ら政策を変更すべきだ」と求めた。

「曖昧にしておかないと党が割れる懸念があるためで、玉木氏の指摘は立憲側にとって痛い。加えて立憲は維新の藤田文武共同代表も首相統一候補の1人だとしました。なりふり構わず政権を取りに行く、その千載一遇のチャンスが来ていることは野田氏も公の場で話していますが、さすがに“節操なさ過ぎだ”との声は永田町で多く聞かれます。政権交代ありきで政局を進めても成果は少ないと見ている人が多数だということだと思います」(同)

 玉木氏の反応を立憲側はどうとらえているのか。

「玉木氏が“首相になる覚悟・準備はできている”と敢えてSNSを通じて発信したことも含めて“想定内”のようです。“自分たちのフィールドに入り込んできてくれている”と笑顔も浮かんでいるようです」(同)

“まだ首相はやりたくない”

 もっとも、「覚悟・準備」はあっても「経験・実績」が無いのは衆目の一致するところである。

「国民民主側の本音は“まだ首相はやりたくない。やれない”だと思います。立憲側はとにかく1度でも首相をやることの意味などを説いているようですが、なかなか玉木氏もなびかないとか」(同)

 特に外交・安全保障分野で見識・認識は足りずアメリカどころか中国にもコネクションはない――といった悲劇的な状況を玉木氏は冷静に受け止めているとされる。

「玉木氏には“立憲ベースの政権に関与したくない”という思いもあるようです。そこを揺さぶるべく立憲側はあの手この手で国民民主側にアプローチしているのだと思いますが、それに乗っかるかというと現時点では微妙な印象です」(同)

 国民民主の勢力は衆院で27議席だ。

「“年収の壁”など自ら掲げる政策の実現を繰り返すことで支持者の信頼を得て、次の衆院選で議席を拡大し……といったことを狙っている中で、与党側ならまだしも野党側から首相の座を提案されても鼻白むところなのでしょう」(同)

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