「とんねるず」の看板は守り抜く 「石橋貴明」不在も「木梨憲武」が単独で「スポーツKING」参戦の意味

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唯一の希望

 とんねるずと言えば、80~90年代に一世を風靡した伝説的なお笑いコンビである。しかし、近年はその勢いにも陰りが見られていた。【ラリー遠田/お笑い評論家】

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 2018年に「とんねるずのみなさんのおかげでした」(フジテレビ系)が終了して以来、とんねるずのコンビとしてのレギュラー番組は0本になってしまった。その後も、その番組から派生した「ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ」(フジテレビ系)は特番として何度か放送されたが、出演していたのは石橋貴明のみだった。石橋が食道がん治療のため芸能活動を休止してしまったことで、その存続も危うい状況になっている。

 そんな中で、とんねるずファンの唯一の希望が「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」(テレビ朝日系)だった。とんねるずの2人がさまざまなスポーツに挑戦するこの番組は、正月特番として毎年放送されてきた。今では2人揃った姿を見られる貴重な番組となっていた。

 石橋が活動休止中であるため、来年の年始に番組が放送されるかどうかもわからない状況が続いていた。そんな中で、来年は初めて木梨憲武が単独で番組を任されることが発表された。番組タイトルも「新春ドリームバトル2026 木梨憲武のスポーツKING!」へと一新される。とんねるずの歴史においても、そして木梨個人のキャリアにおいても、これは1つの象徴的な出来事である。

 木梨はインスタグラムで「いったん、とんねるずのスポーツ王は石橋貴明の体調など健康魂のため、お休みっす!!」と、いつもの軽妙な調子で報告した。その言葉の裏には、長年の相方への深い思いやりと信頼が感じられる。重い空気を笑いに変えながらも、番組を止めないという強い責任感がにじむ。彼らのファンからは歓喜の声が続々と寄せられている。

 今回の番組では、木梨率いるスポーツ芸能人軍団が、現役トップアスリート軍団とさまざまな競技で激突する。柔道、卓球、陸上、バドミントン、サッカー、ゴルフなど多彩な種目が用意され、スペシャルゲストには木梨の親友である俳優・水谷豊の参戦も決定した。

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