「週3回ラーメン」で死亡リスク1.5倍!? Xを騒がせた論文の著者が自ら解説 「むしろ健康に良いというデータも」
スープを半分以上飲むと……
浜松市や宇都宮市が支出額でしのぎを削っているのは餃子だが、これがラーメンになるとダントツなのが山形市だ。
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総務省の家計調査(2024年)によると、山形市の年間支出額は1世帯あたり2万2389円。2位の新潟市に圧倒的な差をつけ、3年連続の全国1位である。山形市以外でも県全域に名店があり、日本蕎麦店なのにラーメンを置いていたりもする。市では3年前に「『ラーメンの聖地、山形市』を創る協議会」を設け、官民を挙げてラーメン消費を応援しているほどだ。
ところが、そんな「聖地」で、耳の痛い調査結果が明らかになった。
〈ラーメンの過剰な摂取と特定のサブグループにおける死亡リスク増加〉
そう題された論文が英文の科学誌に発表されたのは8月。県立米沢栄養大学と山形大学の共同調査である。それによれば対象となったのは、健康診断を受けた40歳以上の山形県民6725人。ラーメンを食べる頻度が「月1回未満」「月1~3回」「週1~2回」「週3回以上」に分けられ、また、スープの摂取量も調査している。
結果、週3回以上ラーメンを食べるグループは肥満や高血圧と関連があり、週1~2回のグループより死亡リスクが約1.5倍高かった。また、スープを半分以上飲む場合、週3回以上食べるグループは週1~2回に比べて約1.7倍にはね上がる。さらに飲酒すると、週1~2回より週3回以上食べる人の方が2.7倍になるとあり、具体的にデータを示されると、ちょっとひるんでしまう。
食べ過ぎなければ、むしろ健康に良い?
そこで、論文の筆頭著者である県立米沢栄養大学の鈴木美穂講師に聞いた。
「私自身、ラーメンが大好きでよく食べています。しかし、支出額が全国トップだからこそ、どれだけ節制したらいいのかをデータで示しておこうと考えたのが調査のきっかけでした」
ところが、論文が発表されると、「X(旧ツイッター)」などでは大騒ぎに。論文のまとめ役となった山形大学医学部の今田(こんた)恒夫教授が言う。
「論文には『週1~2回』のグループの死亡率が最も低いとあります。食べ過ぎなければ、ラーメンはむしろ健康に良いというデータも示しているのです」
最後に、「聖地」を応援する山形市商工観光部ブランド戦略課の話。
「ラーメンの聖地といっても、年間支出額を1人当たりにすると月に1~2杯程度です。普段食べている量としては問題ないと考えています」(担当者)
とりあえず、店で生ジョッキを頼んでラーメン大盛り、ライスも付けて汁まで飲み干すってのは考え直したほうがよさそうだ。


