タレント「小堺一機」が“長寿番組”に恵まれる理由…“大将”が告げた「お前は50CCのバイクなのに60キロ出すからうるさい」という言葉の意味
ラジオの魅力
さて、小堺さんといえばラジオも忘れてはいけない。関根さんとコンビを組んで今も続く「コサキンDEワァオ!」(現在はポッドキャストで配信中)である。
「ラジオはテレビと違って、みんなで聴くのではなく、一人で聴きますよね。マンツーマンなんですよ、イメージが。パーソナリティーが直接、語りかけるように感じるからテレビより人間っぽいというか、身近なんでしょうね。僕もラジオの時は、一人に向かって話しかけるつもりでマイクに向かっています」
「コサキン」リスナーにはおなじみだが、時々、リスナーメールを読むときに、小堺さんが笑いをこらえようと苦しそうにすることがある。すかさず関根さんがフォローする。「泣いてるよ!」。メールの内容があまりにもくだらな過ぎて、涙が出るほど小堺さんが笑っているのだ。
「テレビと違って、顔が映っていないというのもラジオの魅力ですね。姿を見せていないので、演者としてはテレビより自然にできるというか、気持ちが楽ですね。読んでいる途中で泣いちゃうのも無理はないんです。コサキンのリスナーは本当にレベルが高くて、よくこんなこと考えるなと感心します。僕なんかじゃとても思いつかないことばっかりですよ。関根さんともよく話すんですが、僕らは何もしていない。レストランでいうと、僕と関根さんはウエイターで、シェフはリスナーの皆さんです」
今はメールが主流だが、かつてのリスナーたちはハガキや封書にネタをびっしり書いて送ってきた。「コサキン」にも大量のハガキが届くが、小堺さんは本番前に下読みをせずに紹介していた。
「一度も下読みはしませんでした。不思議なもので、手書きのハガキを読んでいると、字で声が変わるんですよ。きれいな字だとそのまま、すっと読んでしまいます。でも汚い字だと声色を変えたり、アクセントを強調したり。人の書いた字って、何か感じるものがあるんでしょうね」
「コサキン」は9月25日に地上波でも生放送されたが、驚くのは小堺さんと関根さんのトークのスピード。昔とほとんど変わっていない。当意即妙で息もピッタリである。
「スピードは落ちないですね。僕はせっかちだからかな(笑)。来年70歳で、関根さんが73歳……うーん、80歳になっても変わらないんじゃないかな(笑)。とにかく相手が関根さんだと、あのペースになっちゃうんですよ(笑)」
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