日本最大の新宗教「創価学会」はもはや“頭打ち”なのか? 実は海外マーケットと親和性が高い「柔軟性」と「ネバーギブアップの精神」

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海外に存在する“新宗教ニーズ”

 夫の駐在に伴って北米で暮らした経験を持つ非学会員の40代主婦は、現地での学会の様子をこう語る。

「絶対に諦めないという学会の教えは外国人にわかりやすい。だから受け入れやすい。現地にいる日系人、日本人移住者にしても日本の宗教なので親近感が湧くのだろう」

 かねてから、宗教という市場は国内では飽和状態だ。今、いわゆる葬式宗教以外、そのニーズはない。だから老舗、新興を問わず入り込む余地はない。

 それに1980年代後半から90年代初頭にかけて世間を震撼させたオウム事件以降、人々の間には未だ宗教へのアレルギー反応が残されている。

 しかし海外は違う。既存の旧来からの仏教、キリスト教、イスラム教といった宗教が人々の日常に溶け込んでいる。新たな宗教が入り込む余地も十分残されている。

 そもそも宗教とは時代と共に変化しなければ信者はついてこないものだ。考えてみて欲しい。たとえば法華経の信心をするにしても、これを説いた日蓮聖人が生きた鎌倉時代のままの教義であれば、令和の時代に生きる私たちはどうにも「自分事」として捉えることが難しくなるはずだ。

 それではいくら信心があるにせよ、これを続けることにおのずと無理が出てくる。誰しも無理は続かない。

海外は肥沃な“マーケット”

 宗教が永続的に発展するには信者に無理をさせないことが大事だ。ここでいう無理とは、宗教の教義、行動、様式が、どの時々に合わせて変化しているかどうか。平たく言えば宗教が現代流にアレンジされているかどうかだ。

 意外に思う向きもあろうが、学会では、これまでにも何度か時代と社会の状況に合わせて経本に手を加えるといった柔軟なところがある。

 また、かつて国内では敬遠された入会勧誘時のひざ詰め談判や他宗への攻撃も、「強い者が勝つ」「負けたからには従う」「従うからには守って貰える」と、単純素朴なヒーロー物が好まれる海外ならではの受け止め方で受け入れられているという。

 この簡単明瞭なわかりやすさ、そして時代と共にアップデートした教義を、「池田大作」というフロントマンがナビゲートする。そんな宗教というコンテンツを提供する場、それが今日、そしてこれからの学会だ。

 国内では宗教という市場はもう頭打ちで伸びしろもない。しかし海外には未開の肥沃な市場が残されている。

 世界三大宗教の信者数は、仏教が約5億人、イスラム教が約20億人、キリスト経が約26億人といわれている。今、海外の学会員数は約300万人だ。国内と合わせてもまだまだその数は足りない。

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