「麻生さんに引退する考えはなく、次の総選挙にも出馬する意向」 総裁選の知られざる舞台裏 「第2次麻生内閣の誕生」の声も
「維新との連立の機運はしぼんだ」
連立交渉相手の本命は、それゆえ国民民主と目されているのだ。高市氏は早速、5日夜に国民の玉木雄一郎代表(56)と都内で極秘会談に及んだ。その後、麻生氏も永田町にある自身の政治団体「素淮(そわい)会」事務所で榛葉(しんば)賀津也幹事長(58)と面会している。
「麻生派の源流は宏池会です。麻生氏には宏池会会長だった大平正芳元首相の地盤を引き継ぐ玉木氏なら、志を同じくする者として共に“大宏池会”をつくれるとの思惑もあるようです。とはいえ、国民民主の支持基盤である連合が自民党との連立には消極的です。また、榛葉幹事長にも警戒感がある。2000年に自公保連立を組んで与党入りしたものの、03年の総選挙で埋没し、自民に吸収合併されたかつての保守党のような道をたどることを危惧しているのです。国民との連立交渉は決して容易ではないでしょう」(前出の記者)
では、日本維新の会との連立はどうか。
「維新の吉村洋文代表(50)が小泉氏と個人的に親しく、小泉政権誕生を視野に連立に前のめりでした。維新は高市氏とのパイプがないといわれますが、遠藤敬(たかし)国対委員長(57)は高市氏と時おり食事する仲。とはいえ麻生氏が国民との連立交渉を優先する中で、維新との連立の機運はしぼんだというのが現状です」(同)
「これまでの派閥政治と何も変わらない」
何につけても影響するのは麻生御大のご意向だ。
政治アナリストの伊藤惇夫氏が言う。
「今回の総裁選のスローガンは“#変われ自民党”でしたが、これでは“変わらない自民党”です。派閥の解消なんてできておらず、麻生派も旧茂木派も事実上残っている。結局、これまでの派閥政治と何も変わるところはありません」
7日に党四役の選対委員長に就任した古屋圭司氏(72)に聞くと、
「高市さんには覚悟と意志と執念があります。総裁に選ばれた時、彼女は全然笑わなかったでしょう。総理になった、ここからが大変だという意識なのです。総理になるのは単なる手段。目的は、彼女がこれまで主張していた“自民党に背骨を入れる”“日本をもう一度元気にさせる”こと。その具体的な政策を実現していくことにあるんです」
高市氏が立ち向かう政策的課題の数々。しかし、いかに覚悟と意志があれ、政権の背骨はどこまでも“妖怪”その人なのである。
前編【「小泉を担いでも、うま味がねえな」 麻生副総裁が最後に高市早苗氏を選んだ舞台裏 「小泉陣営には気の緩みが」】では、総裁選でウラから影響力を行使した麻生太郎副総裁が「高市支持」に回った理由などについて報じている。
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