世界的人気の「K-POPアニメ」が日本で盛り上がらない理由 「既視感」を指摘する声も
欧米で高い評価
Netflixのアニメ映画「K-POPデーモン・ハンターズ」(邦題:K-POPガールズ!デーモン・ハンターズ)が世界で驚異的な成功を収めている。派手なバトルアクションとK-POPのメロディーを融合させた同作は、アメリカやヨーロッパで高く評価され、Netflix史上、最高の累積視聴回数を記録するなどしているが、日本では伸び悩んでいる。なぜなのか。
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劇中に登場する架空のK-POP3人組ガールズグループ「HUNTR/X」(ハントリックス)の楽曲「Golden」は米ビルボードHOT 100で通算8週1位を獲得し、同5人組ボーイズグループSaja Boys(サジャボーイズ)の「Soda Pop」は7位、「Your Idol」は10位となるなど計3曲をTOP10に送り込んでいる(7日現在)。まさに世界のチャートを席巻しているわけだが、その熱狂が日本では意外なほど広がっていない。
海外エンタメ事情に詳しい音楽誌編集者がこう話す。
「日本アニメ『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』の世界興行収入が7億5700万ドル(約1136億円)を突破する大ヒットとなっているため日本ではその話題が先行しています。ただ、理由はそれだけではないと思います」
いったいどういうことか。
「日本でもK-POPは人気で今年は東方神起、G-DRAGON、NCT 127らが東京ドームで次々とコンサートを開催し、年内にはLE SSERAFIM(ルセラフィム)とSEVENTEENも予定されています。ただ、日本のファンダムは実在する特定グループに集中する傾向が強くて、『K-POPデーモン・ハンターズ』のように“K-POP全体”をアニメとして描いた物語は特定アイドルを推すファンにとってつかみが弱い」
BTSやBLACKPINK、TWICE、Stray Kidsらの世界的成功をもとに欧米や東南アジアでは“K-POP”そのものがグローバルな音楽ジャンルとして受け入れられているが、日本での関心は音楽ジャンルより“特定”のアイドルグループが中心なのだという。
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