世界的人気の「K-POPアニメ」が日本で盛り上がらない理由 「既視感」を指摘する声も

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視聴者が分散

 一方、これとは別にアニメ大国・日本の事情もあるようだ。在京キー局関係者がこう分析する。

「日本では年間数百本もの新作アニメが公開され、海外発のアニメが新しい刺激として受け止められにくいムードがあります。『K-POPデーモン・ハンターズ』のように“韓国らしさ”を強く押し出すビジュアルや舞台設定は、既存のアニメファンにとって馴染みにくく、受容が限定的になったきらいはありますね」

 日本では必ずしも“新鮮”な作品としての受け止めが多いわけではないらしい。さらに、配信プラットフォームの違いも無視できないという。

「世界でNetflixはアニメの新たな拠点として存在感を増していますが、日本では民放テレビやアマゾンプライム、ABEMA、dアニメなど他の選択肢を好む層も多く、結果として視聴者層が分散されNetflixオリジナルアニメが社会的な話題になりにくいのです」(同関係者)

 海外で「K-POPデーモン・ハンターズ」が注目されているのは、「アニメ×音楽」による相乗効果で動画、音楽の世界チャートを制覇したこと。ただ、日本のアニメ史を振り返れば、「宇宙戦艦ヤマト」や一連のジブリ作品などアニメと音楽を組み合わせた作品は既にいくつも存在している。「韓国文化を取り込んで成功した『K-POPデーモン・ハンターズ』の試みは、世界では熱狂的に受け入れられても、日本では既視感を伴うようです」(一般紙文化部記者)。

 とはいえ、Netflixが公表している「K-POPデーモン・ハンターズ」の日本ランキングは上位をキープしており、チャレンジ歌唱動画の拡散やエンディングにTWICEが登場していることもあって日本でも注目されているのは確かだ。

「欧米では10月末のハロウィーンの際、『K-POPデーモン・ハンターズ』に登場した主人公のルミ、ミラ、ゾーイのコスチュームや韓国伝統の帽子をかぶったサジャボーイズらのコスプレ姿が大量発生するとの予想が出ています。日本のハロウィーンではどうなるでしょうか。人気のバロメーターがそこである程度判明するでしょう」(同記者)

 ハロウィーン参加者の選択やいかに。

デイリー新潮編集部

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