”傷もの”と呼ばれて「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず 「連立離脱」におわせ 公明・創価学会の怒りの原点
「傷もの」発言
8日、自民党の高市早苗総裁は新執行部メンバーと野党各党に挨拶まわりを行った。その中で高市氏が萩生田光一幹事長代行のことを「傷もの」と表現したことが話題になった。自民党は公明党との関係にも火種を抱えるが、その1つが萩生田氏だとされる。
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高市氏が萩生田氏を「傷もの」と表現したのは、裏金問題で不記載があったものの幹事長代行に起用したことを意識してのことと見られる。
「裏金議員がどこまで表舞台に立たないか、立たない方が良いかという議論は常にありました。禊は済んだということで今回、幹部に登用したわけですが、高市氏自身、裏金議員をめぐって色んな議論があることは十分に認識しているのだと感じました」
と、政治部デスク。萩生田氏の存在は自公連立の存続にも影を落としているという。
裏金にこだわる公明
「自民と公明との7日の会談でも裏金問題は最重要テーマとなりました。会談は1時間半に及びましたが、公明の斉藤鉄夫代表はこれまで高市氏に突き付けていた『靖国』や『外国人』問題については理解したということでした。一方で裏金問題については刑事裁判で新たな証言が出ており、終わった話ではないとの認識を示しました」(同)
いまさら萩生田氏を幹事長代行の職から外すわけには行かないのでなかなか困ったことになっているわけだが、問題は裏金だけではなさそうだ。
「公明と支持母体の創価学会は萩生田氏のこれまでの振る舞いについて疑心暗鬼、憤懣やるかたない状況になっています。自公の関係がこじれるのをわかっていてなぜ萩生田氏を起用したのか、公明としては理解できず、連立離脱まで踏み込んでいるわけです」(同)
ここでこれまでの経緯を振り返っておこう。
過去の萩生田氏の振る舞いに
2023年5月、当時の自民・茂木敏充幹事長と会談をした公明・石井啓一幹事長は、「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」と強い言葉で自民側を批判した。当時の自民の東京都連会長は萩生田氏で、「地に落ちた」という矛先は紛れもなく萩生田氏に向かっていた。
来たる衆院選の小選挙区の定数が「10増10減」されることに伴い、自公は候補者調整を続けていた。焦点は衆院東京28区(練馬区東部)で、自民は公明候補の擁立を認めず、公明は擁立断念を余儀なくされた。
「その他、東京29区(荒川区・足立区の一部)、東京12区(北区・板橋区)や東京15区(江東区)が候補者調整の舞台になりました。が、選挙区ごとに複雑な、ややこしい事情があり、そう簡単にまとまる話ではなかったですね。加えて、茂木氏や副総裁を務めていた麻生太郎氏は公明・学会嫌いで知られており、協力的ではない姿勢があからさまに見え、公明側が反感を抱いたことも間違いなくあるでしょう」(同)
当時、いかに創価学会が萩生田氏に対して怒っていたかは、関連記事(創価学会大幹部が「萩生田だけは勘弁ならねぇ」 自公の亀裂はもはや修復不可能?)に詳しい。選挙区の調整問題に加え萩生田氏と統一教会との距離の近さへの懸念も創価学会側にはあったとされる。
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