反日映画「731」ヒットの脇で“毒ガス実験室おもちゃ”が登場も…「人民解放軍」が異例の猛批判を浴びせた理由

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抗日の“エンタメ化”に線引きは

 映画「731」とはまた異なる方向性のトンデモ玩具は、人民解放軍をはじめ中国共産党系メディアなどから、文字通りに「歴史を“おもちゃ”にするな」という猛批判を浴びた。登場から数日で販売ページから消えたものの、複数のメディアが掲載するスクリーンショットを見ると、すでに数十個が売れていたことがわかる。

 抗日の“エンタメ化”がきついお叱りを受けたこの一件で、一部の国民は「『素手で日本人を引き裂く』再びか」と、一時期に大流行した過激な抗日ドラマを思い出したようだ。「素手で」はある抗日ドラマで実際に描かれた場面を指す言葉だが、2014年に「人民日報」と人民解放軍の発行紙「解放軍報」はそうした“安易な表現”を相次いで批判していた。

 2025年7月には、テレビやラジオ、映画などを管理する広電総局が「管理指針」を発表。抗日モノの制作時は、軍事的な常識から外れた「奇跡的な功績」や「魔法の技」といった設定、「家族や国家の物語を個人的な復讐に矮小化」する創作、「歴史的論理を欠いた国家正義」を描く創作を「排除すべき」とした。

 こうした意識がおもちゃにも影響しているのだろうが、映画「731」の花魁道中やちょんまげなどはどうやら適用外だったようだ。

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