粗品が唯一、毒舌を封印する相手 ブラマヨ吉田の「格」を再認識させる新番組の価値
「吉田と粗品と」
10月1日にブラックマヨネーズの吉田敬と霜降り明星の粗品が新たにタッグを組む番組「吉田と粗品と」(読売テレビ)がスタートした。世代が異なる2人のコンビネーションがどのような化学反応を生み出すのか、多くの視聴者や業界関係者から期待が寄せられている。【ラリー遠田/お笑い評論家】
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【写真】粗品らが「めちゃくちゃ上手いな」と絶賛する若手実力派コンビ
2024年に「吉田粗品の選択」(テレビ朝日系)という特番で共演した際にも、絶妙なやり取りが話題となり、すでに相性の良さは証明済みと言える。彼らの組み合わせが相性抜群であると断言できる理由について掘り下げていきたい。
まず、吉田と粗品の間にはいくつかの共通点が存在する。漫才師としては吉田がボケ担当、粗品がツッコミ担当であり、役割が異なる。しかし、共に「M-1グランプリ」で優勝した実力派漫才師であり、世の中に対して媚びない芸風を貫いている。粗品は目上の人にも平気で噛みつく毒舌芸で知られるようになっているし、吉田は毒舌キャラとまでは言えないものの、世間の常識に縛られずに自分の思うことを率直に言う「直言キャラ」の一面はある。
また、2人ともギャンブル好きの破天荒なイメージがあるが、意外と家族を大事にしている人間的な部分もある。彼らは周りの空気に流されず、自分の人生観や価値観に裏打ちされた確固たるスタンスを持っている点が似通っている。
それを象徴しているのが、吉田が自宅を東京から大阪に移したことだ。この件については「吉田と粗品と」の初回放送でも触れられていた。吉田は「M-1」で優勝した後、全国ネットのバラエティ番組に数多く出演するようになり、東京で生活をするようになった。
しかし、家族との時間を大切にしたいと考えて、ゆったりした生活を送るために仕事をセーブして大阪に生活拠点を移したのだ。吉田のような立場にあったタレントがそのような選択をするのは異例のことだ。芸能界という激しい競争社会の中で、東京でたくさんある仕事を捨てて、関西に戻るというのは並大抵のことではない。家族との生活を優先してそれを実行する吉田の姿勢は、多くの芸人にとって驚きであり、尊敬の対象でもある。粗品も吉田のこういう部分に対して一目置いているところはあるのだろう。
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