「“ビジネスエセ保守”という言葉以上にキツい文言が…」 小泉進次郎陣営の「ステマメール」騒動には原案があった! 「牧島さんのせいだけにするのは問題」
「進次郎らしさ」を封印
小泉氏は今回、そうした世間の声にさらされつつも、あらゆる面で「進次郎らしさ」を封印した。
「小泉氏は党重鎮らから支持を取り付ける際、しきりに“安全運転に徹します”と強調したと聞いています」(自民党関係者)
実際、政策面では前回の総裁選で物議を醸した選択的夫婦別姓や解雇規制緩和の代わりに、物価高対策を柱に据える方向へ軌道修正した。また、手元のメモを見る姿が目につき、日本記者クラブが主催した9月24日の討論会では、読売新聞特別編集委員の橋本五郎氏から、「まだ44歳でしょ。そんな慎重過ぎてどうするんですか」と、“公開説教”を受ける場面もあった。だが、途中で急失速し敗れた昨年の総裁選の雪辱を期す小泉氏は“安全第一”の方針を変えず、徹底した組織戦を展開したのである。
「前回は空席だった選対本部長に加藤勝信財務相(69)を据えたほか、陣営を『国会議員班』『党員総括班』『SNS誹謗中傷対策班』『政策班』『総務・広報班』などに細分化し、議員票・党員票の双方で支持固めを狙いました」(同)
選挙のサクラを募る内容が
もっとも、そんな氏の盤石な組織戦に水を差すトラブルがあった。「ステマメール」騒動である。
前出のデスクが言う。
「9月25日発売の週刊文春が、小泉陣営で『総務・広報班』班長の牧島かれん元デジタル相(48)の事務所が小泉陣営関係者に対して、動画配信サービス『ニコニコ動画』への小泉氏を称賛するコメントや他候補を誹謗中傷するようなコメントの投稿を依頼する内容のメールを送ったと報じました。同日、小泉選対幹部もおおむね“ステマ要請”を認めたのです」
牧島氏は9月26日、文書で〈私自身の確認不足により、一部いきすぎた表現が含まれてしまった〉と陳謝。同日、小泉氏も牧島氏の事務所が独断でメールを送信したと弁明した。その後、小泉氏は牧島氏に対して殺害予告等が寄せられていると説明。「本人も身の危険を感じている」と、牧島氏の「総務・広報班」班長辞任を明かしたのである。
本誌(「週刊新潮」)が入手した実際のメールを見ると、
〈YouTube のコメント欄は閉じますので、【応援コメントは、ぜひニコ動】からお願いいたします!〉
と、“選挙のサクラ”を募る内容が記されていた。“ステマ”と批判されたゆえんである。
さらに文面には〈応援したいけど、何を書けば良いの?〉という質問に答える形で〈あくまでも、専門家のお知恵をお借りした例〉として24種類のコメント例が続く。〈ようやく真打ち登場!〉〈これは本命候補でしょ!〉といったものに加えて、特に問題視されたのが〈ビジネスエセ保守に負けるな〉という文言だった。
「世間は保守強硬派の高市早苗・前経済安全保障相(64)を揶揄していると受け止めました。高市陣営の幹部からは“総裁選をおとしめる重大事案だ”との非難の声が上がったのです」(前出のデスク)
メールの冒頭部分には、
〈応援議員、秘書各位 夜分のお知らせとなり申し訳ありません。明日、朝10:30~の記者会見ですがニコニコ動画のURLも決まりましたので、ご連絡させていただきました〉
との文言もあった。「記者会見」とは、9月20日の出馬会見を指す。つまり、メールは晴れ舞台の前日、複数の小泉陣営の議員及び秘書に一斉に送信されていたことになる。
[2/3ページ]

