「貯金1」でシーズンを終えた阿部巨人、CSではリチャードより坂本を使うべきだ…DeNA三浦監督の辞任は腑に落ちない【柴田勲のコラム】

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現在のDeNAは打線も巨人より上

 第1ステージの先発は山崎伊織、戸郷翔征、3戦までいったらどうやら横川凱のようだ。1日、山崎は調整登板で2回を無難にまとめていた。戸郷は相変わらずストライクとボールがハッキリしていた。このままだとちょっと心配だ。

 今季のDeNA戦は15勝9敗1分と勝ち越している。でも、9月14、15日、ハマスタでの2連戦は完全に力負けの2連敗、これで2位が絶望的になった。

 26、27日もやはりハマスタで1勝1敗だった。終盤に故障者が相次ぐ中、奮起して3年ぶりの2位になった。ハマスタの熱気がナインを後押しするはずだ。

 アンソニー・ケイ、東克樹、アンドレ・ジャクソンら先発陣が良いし、中継ぎ陣も充実している。

 終盤では牧秀悟、宮崎敏郎をケガで欠いて、タイラー・オースティンも万全ではなかった。ここにきてダヤン・ビシエドも左脚の故障で出場は微妙だ。

 だが、現在は打線だって巨人より上だと思う。1番・蝦名達夫、2番・桑原将志のコンビがうまく機能しているし、筒香嘉智も馬力を上げてきた。

相手チームがイヤがる坂本を使うべき

 対して、巨人打線は砂川リチャードを外した打線を考えるべきだと思う。三塁に坂本、一塁には岡本和真を起用する。

 右脇腹痛で戦列を離れていた吉川尚輝が第1ステージに間に合う可能性が出てきた。この吉川を入れると……、

 1番・吉川、2番・トレイ・キャベッジ、3番・泉口、4番・岡本、5番・丸佳浩、6番・坂本、7番・岸田行倫、8番・中山(6番と7番は入れ替え可)

 阿部監督はリチャードをスタメン起用し続け、最後は5番を任せた。シーズンは終わった。もう育成の時期ではない。短期決戦の3試合だ。リチャードは代打だ。相手チームだって坂本の方がイヤなはずだ。

 そりゃリチャードはパワーがあるから時には一発がある。出続けているから時にはポーンとヒットが出る。でもチャンスでボール球を振る。肝心な場面でどんな打撃をする必要があるか、分かっていない。

 リチャードが5番にいると岡本は歩かせてもいいとなる。第一、数字はウソをつかない。打率2割1分1厘だ。

 リチャードが真価を問われるのは来年のシーズンだ。

第1ステージを突破しても阪神戦は

 第1ステージを2勝1敗で突破しても中1日置いて15日から阪神とのファイナルステージだ。

 阪神戦の先発はどうなるか。チーム事情は苦しいと思う。フォスター・グリフィン、赤星優志、森田駿哉、さらには西舘勇陽らの出番が回ってくる可能性がある。もちろん、経験豊富な田中将にも甲子園の先発マウンドを託されるだろう。

 まずは第1ステージ突破、やってくれると信じている。

(成績などは2日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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