ディズニーは車椅子、体育見学で「なんで?」と言われ… 21歳女優が生きる“片耳難聴”の知られざる日常

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「手帳」申請外の障害

――先ほども少しお話いただきましたが、片耳難聴ならではの難しさはほかにもありますか。

坂上:片耳難聴は障害者手帳の申請外なんですよ。

――ええ、そうなんですか?

坂上:難聴の障害者手帳の申請には「両耳の聴力レベルが70デシベル以上」または「片方の耳の聴力レベルが90デシベル以上で、もう片方の耳の聴力レベルも50デシベル以上」でないといけないんですが、それだとほぼ両耳が聞こえないのと同じレベルでして。

――坂上さんはYouTubeなどを通して片耳難聴について発信されていますが、もう少しここを理解してほしいなという部分はありますか。

坂上:これはどの障害にも言えることなんですけれど、目に見えない障害をどう目に見えるようにするか理解が深まってほしいなと思います。

 最近は、外見からは分からないけれど援助や配慮を必要だと周囲に知ってもらいやすくするヘルプマークも出てきました。私自身もヘルプマークを持っているんですが、ヘルプマークだけだと「何の障害を持っているんですか」と結構言われるんです。なので私はヘルプマークをつけている時は一緒に、知り合いの難聴の方が作ってくださった「耳が聞こえないよ」というマークとともにつけています。

 一方で、ヘルプマークが必要ではないのに悪用をして使っている人だったり、そもそもつけるのを嫌だと思っている人も多いんです。そこを教育などで変えていってほしいなと思います。

※10月1日18時追記:掲載当初〈「きこいろ」さんという片耳難聴の当事者や家族がやっている団体が、障害者手帳を申請させてくださいと国に働きかけているんですが、なかなか前に進んでいない状況です。〉という記述がありましたが、事実誤認でした。訂正してお詫びいたします。

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記事後編】では、ミスマガのベスト16に残るも、その後“グラビアNG”にした事情や現在の活動についてお話を伺った。

坂上未優
埼玉県出身の女優・モデル。耳難聴というハンディキャップを抱えながらも、グラビアや雑誌掲載、TV出演など幅広く活動中。俳優としてもドラマ「岸辺露伴は動かない」「南くんが恋人!?」などに出演。2021年には写真集「SPECIAL FAN BOOK 坂上未優」も出版している。趣味はお菓子作り、カメラ、PCゲーム。YouTubeチャンネル、SNSでも積極的に発信中。X:@miy_u0130

徳重龍徳(とくしげ・たつのり)
ライター。グラビア評論家。ウェブメディアウォッチャー。大学卒業後、東京スポーツ新聞社に入社。記者として年間100日以上グラビアアイドルを取材。2016年にウェブメディアに移籍し、著名人のインタビューを担当した。その後、テレビ局のオウンドメディア編集長を経て、現在はフリーライターとして雑誌、ウェブで記事を執筆している。著書に日本初のグラビアガイドブック「一度は見たい! アイドル&グラビア名作写真集ガイド」(玄光社)。noteでマガジンを連載中 X:@tatsunoritoku

デイリー新潮編集部

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