国民のシモのお世話に乗り出した!? 女子トイレ問題を「何とかできないか」と言い出した“意外な人物”
男性用トイレはガラガラなのに、女性用トイレには長蛇の列が……。商業施設やイベント会場、各種ホールや映画館、劇場におけるトイレの男女格差は誰もが経験のあるところだろう。この問題解消に、行政がメスを入れるという。
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「何とかできないか」と言い出した人物
「エンタメ業界における“永遠のテーマ”の一つですが、このほど政府が乗り出すことになりました」
と言うのは社会部デスク。
「旗振り役は国土交通省と経済産業省。7月中旬にイベントの主催者や映画館、劇場などに対して“男女間でトイレの待ち時間に差が生じないよう、女性用トイレの数を十分確保するように”と、改善を求める通知を出したのです」
これを受けて、内閣官房を中心に関係府省連絡会議が招集されているという。
「定期的に関係各省の担当者が集まっています。来年度中に、公共施設の規模に合わせて設置するトイレの目標数をはじめ、さまざまな統一基準を策定することが決まっていますよ」
国民のシモのお世話にお上が乗り出した!? 唐突かつ意外な印象が強い取り組みだが、きっかけはアノお方の意向だった。
「今年6月、国会質疑で野党が公共施設の女性用トイレの行列問題を指摘しました。長年にわたって放置されてきたと知り、石破茂首相が“何とかできないか”と言い出した。直後に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に、問題を改善すると明記されたのです」
女性用トイレに行列ができる理由
女性用トイレにのみ行列ができる主な理由は、
「便器の数の差ですね。男性用トイレには小便器と大便器の両方が設置されており、数では個室しかない女性用トイレより圧倒的に多い。女性用の数を1とすると、男性用はおよそ1.7。それこそ5割以上多いんですよ」
背景には、長年にわたる日本の社会的慣習があった。
「いまでこそ、女性の姿は珍しくありませんが、一昔前までは野球やサッカーといったスポーツイベントの観客は圧倒的に男性が多かった。スタジアムをはじめとする多くの施設が男子トイレを多く設置するのは当たり前だったんです」
加えて、トイレに滞在する時間の男女差も影響しているとの指摘が。
「4年ほど前、日本中央部の高速道路を管理するNEXCO中日本がサービスエリアのトイレを対象に調査を行いました。それによると、女性の利用時間が平均105秒だったのに対して、男性は35秒と女性の3分の1の短さだったそうです」(都内の商業施設関係者)
数千万円に上る費用が
これまで東京ドームや日本武道館、味の素スタジアムなどは、女性客が多いコンサートやイベントの日に男性用トイレの一部を女性用に転用するなどの措置を講じることもあった。
それが今回、政府が事態の改善に動き出したことで、女性を悩ませてきたトイレ事情は大きな進展が見込まれる。それでも、前出の社会部デスクは苦笑いだ。
「トイレの数に国が基準を設ければ、全国のほとんどの施設や劇場が女性用トイレの増設に追われることになります。費用は規模にもよりますが、数百万円から数千万円ほどと見込まれます。現時点で国や自治体が補助金を出す予定はないそうなので、事業者たちは、いまからどれだけの負担になるかと戦々恐々とか」



