カップ麺、ホットケーキ、ガリガリ君…末期がんでも大好きなものを食べ続けた夫 倉田真由美「ひとつ大きな後悔」
漫画や本に囲まれ
映画プロデューサーの叶井俊太郎さん(享年56)はがん発覚後、手術や入院を経て、最期は家で過ごすことを決めた。亡くなる2、3か月前まで会社に行き、自転車で買い物に行き、大好きな外食にもよく出かけた。家では、漫画や本に囲まれ、体調が悪くなるギリギリまで家事をやっていたという。最新刊『夫が「家で死ぬ」と決めた日 すい臓がんで「余命6か月」の夫を自宅で看取るまで』(小学館)の著者で、妻の倉田真由美さん(54)に家での生活ぶりを聞いた。(全5回の第4回)
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【写真】大好きだったという「ガリガリ君」ソーダ味…自宅での叶井俊太郎さんの様子。娘との貴重な2ショットも
夫ががんだとわかってからも、在宅で過ごした日々は、世間が思うほど大変なものではなかったと思います。幸いなことに、寝たきりになる期間もほとんどなく、亡くなる直前までは割と普通に暮らすことができました。
2024年2月に亡くなりましたが、その前年の23年中は普通に会社に行ったり、自転車で買い物に行ったりもしていましたし、外食にもよく行きましたね。夫は外食が大好きな人でしたから。
2024年に入ってから少しずつ体調が悪化し、1月は会社に行けない日も増えましたが、オンラインで仕事はしていました。急に状態が悪くなったのは2月に入ってからで、6日に訪問診療を開始。亡くなる2月16日までのこの11日間が、夫にとって本当に辛い時期だったと思います。
夫は「家が大好き」な人でした。家の中には、漫画や本がむちゃくちゃたくさんあるんです。私も多い方ですが夫も相当に蔵書が多かったです。少女漫画系以外は、メジャーなものからマイナーなものまで、本当に漫画が大好きでしたね。
手塚治虫さんの作品から『闇金ウシジマくん』や『キングダム』まで、いろいろ網羅していました。そんな大好きなものに囲まれて、映画を鑑賞できる環境は、彼にとってすごく心地よかっただろうと思います。
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