討論会で珍回答を連発 小泉進次郎氏の懸念材料は? 劣勢の高市早苗氏に現れた“有名人”応援団とは

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【全2回(前編/後編)の後編】

 自民党総裁選で圧倒的な議員票を背景に、優位に戦いを展開するのは小泉進次郎農水相(44)だ。懸念材料である討論会の失言にも“対策”が講じられ、早くも「小泉新総裁誕生」がささやかれる中、党内はすでに「人事」「連立」「総選挙」を巡って喧(かまびす)しくなっている。

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 前編【小泉進次郎氏に「出馬に関して、妻と話し合ったのか」と聞くと、顔が曇り… 「滝川さんはいい顔をしていない」との指摘も】では、総裁選レースで優位に立つ小泉氏を支える盤石な体制などについて報じた。

 小泉氏の勢いと裏腹に前回ほどの勢いが感じられないのが高市早苗前経済安全保障相(64)だ。

「推薦人の20名はなんとか確保しました。前回は1回目から麻生太郎最高顧問(85)が高市氏の支援に回った。結果、議員票で72票を獲得できたので、党員票と合わせて1回目は首位に立てました。が、今回、麻生氏の支援は期待できません」(政治部デスク)

 麻生派事務局長の井上信治衆議院議員(55)も、前回、河野太郎前デジタル相(62)の支持に回った十数名のほかの麻生派議員と共に小泉陣営に加わったという。

「麻生会長からは“各自の判断であるのでしっかり応援するように”とのお言葉を頂きました」

 と当の井上氏が明かす。

「今回は1回目の投票で麻生会長からの指示が出るということはないと思います。現段階においても麻生さんから“高市さんを支援するように”との指示はありません。実際、麻生派の議員は、今はそれぞれの陣営に分かれていますからね」(同)

「今は」というのがミソで、麻生派は決選投票で小泉氏の支持に回るとみられている。

「麻生さんは小泉さんが火中の栗を拾い、泥をかぶるような形で一生懸命やってきたことについて、“小泉は成長した、よくやっている”と語っています」(同)

 小泉氏は昨年来、党政治改革本部事務局長として企業・団体献金について「禁止よりも公開」と訴えて野党の攻勢の矢面に立った。麻生氏はそうした姿勢を評価しているというのだ。

思わぬ“応援団”

 前出のデスクが言う。

「菅義偉副総裁(76)はもとより、決選投票では麻生氏や岸田文雄前首相(68)といったほかの重鎮も小泉氏支持に回り、麻生派や旧岸田派を取りまとめるとみられています。今回、麻生派から3名の推薦人を借りている茂木敏充前幹事長(69)もその動きに同調するでしょう。さらに旧二階派の一部や小林鷹之元経済安全保障相(50)の周辺も“決選では小泉氏”で一致しており、流れは完全に小泉氏に傾いています」

 一方、劣勢の戦いを強いられている高市氏にも思わぬ“応援団”が現れた。先の参院選に無所属で出馬したミュージシャンの世良公則氏(69)である。

「高市さんとは、これまでコロナ禍でのエンターテインメント業界の支援のあり方や昨年の能登半島地震の復興などに関して意見交換をさせていただく機会がありました」

 とは、世良氏本人である。

「近隣国との問題や食料の自給率の問題などについて、高市さんはご自分の考えを持っていらっしゃると思います。出馬表明会見でも、役人の言葉じゃない言葉でお話しになっておられると思いました」

 そう評価する一方、

「税の問題についてはもう一歩踏み込んでいただきたかったところもあります」

 とも語る。

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