「中国は子どものような嫌がらせをする国」 まさかの“制裁”を受けた石平参院議員が分析する「習近平の思惑」
中国外務省は9月8日、日本維新の会の石平参院議員(63)に制裁措置を取ると発表した。台湾や尖閣諸島を巡る問題や歴史認識などに関する見解で“虎の尾を踏んで”しまったようだが、果たして石平氏の身に危険が及ぶことはないのか。
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「この制裁は私に何の影響も与えない」
「制裁を受けたことは報道で知って驚きました。世界の大国である中国が、国会議員とはいえまさか一個人に制裁を発動させるとは思わなかったので。私はさまざまな場面で習近平のことを批判していますから、その逆鱗に触れた可能性は考えられます」
そう語るのは、中国政府に名指しされた石平氏その人だ。制裁は、中国への入国禁止および同国内にある資産凍結などで、発表当日に実施されている。
石平氏は中国出身だが、国際問題評論家として中国政府を批判する言説を日本で長らく展開。2007年には日本国籍を取得し、先の参院選に維新から出馬して初当選を果たした。
以下、石平氏の話。
「中国政府の公式発表を見ると、台湾、尖閣諸島、チベット、新疆ウイグル自治区などの問題について私が間違った言説を広めたことを根拠に制裁を科したとしている。しかし、中国政府はどこが間違いなのかは明らかにしていません。これでは“堂々たる大国”のはずが“子どものような嫌がらせをする国”にしか見えません。私は中国に財産を有しておらず、中国を訪問する予定もありませんから、この制裁は私に何の影響も与えないといえます」
だが、相手は習近平国家主席(72)を頂く強権国家。自国民への振る舞いや他国における工作活動を思えば、自らや親族に危険が及ぶ可能性も考えられないか。
「両親はすでに他界し、きょうだいも中国に住んでいません。また、国会議員である私に直接危害を加えることもないと考えています。私に何かあれば中国の仕業になるからです。国際問題に発展しますから、安易に手は出せないでしょう」
中国政府は「バカなことばかりやっている」
制裁をこの時期に発表した背景には、習政権の思惑がのぞくと石平氏は言う。
「石破茂首相が退陣したことで、保守色の強い人が次の首相になる可能性がある。これに危機感を持った中国は“石平のような政治家は許さない”という意思を日本に示したかったのでは」
一方で、ある“違和感”を覚えたとも。
「中国政府は私のことを買いかぶり過ぎているのではないかと思いました」
どういうことか。
「世界の大国・中国が、制裁を科すほどに私の言論を高く評価してくれたからです。尖閣諸島が日本固有の領土であることは日本人として当然の事実を主張したまでですし、新疆ウイグル自治区の民族浄化活動には米国政府が制裁措置を行っています。だからこそ改めて私の言論は正しかったのだと確信しました。ルビオ氏と同じ制裁を受けたことを誇らしく思いますよ」
厳しい反中姿勢で知られる米国のマルコ・ルビオ国務長官(54)は上院議員だった5年前、中国から入国禁止などの制裁措置を受けている。石平氏はそのことが今や、中国の“足かせ”となっているとも指摘する。
「ルビオ氏に制裁を科したことで、目下、一番困っているのが中国なのです。だって米国の外交トップを自国に招くことができないのですから。かといって今さら制裁措置を解除するのもメンツが立たない。中国政府はそんなバカなことばかりやっているんです」
仮にも良識の府の一員となった石平氏に、むしろ“お墨付き”を与えた形の中国政府。威圧はどうにも裏目に出たといえそうだ。





