フライング「高市早苗」 サイレント期間中に熟考した”変身”作戦とは 【自民党総裁選】

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サイレント期間中は

「国民の間で依然として裏金アレルギーが強く、旧安倍派幹部らとの関係性をアピールしづらいという点はあるでしょう。唯一残る派閥トップの麻生太郎自民党最高顧問には前々から色んなボールを投げてアプローチしてきましたが、なかなか色よい返事をもらえていないようです。派閥のメンバーではないので当然と言えば当然ですが。仮に高市氏が1回目をトップで通過しても決選投票で議員票が集めきれず逆転されるとのシナリオは常に語られていることで、高市氏もまさにそこを意識していることでしょう。“サイレント”期間は議員票を確実に上積みするための時間に注力していたようです」(同)

 それ以外にも目玉政策について熟考していたとされる。

「政策と呼ぶべきか悩ましいですが、靖国参拝へのスタンス変更ですね。去年は“首相になった場合も靖国参拝を継続する”と主張しましたが、今回は明言しませんでした。前回はこれで議員票が逃げ、半分くらい腰かけていた女性初の首相の座から滑り落ちてしまった要因とされました」(同)

去年と同じ失敗を

 靖国問題はそもそも内政の問題であり、また日本には信教の自由もある。祖国のために心ならずも戦地に赴き亡くなった方々に心からの哀悼を捧げ、平和に感謝すること自体、何ら批判や非難、干渉を受けるいわれはない。こういった考え方やスタンスは正論であり本音だが、外交の現場では正論や本音を貫き続けることが難しく、リスキーな局面もある。

「高市氏としては“靖国参拝継続”の主張で得られる票、逃げる票を天秤にかけ、今回は参拝を明言しないことにしたのでしょう。そうしなければ去年と同じ失敗を演じてしまいかねないという強い危機感あってのことと見られています。それでもらの支持層から“変節した”“宗旨変え”などと強い批判を受けないと見たのでしょうか。安倍元総理ですら、1回参拝したあとは諦めてしまったくらいですから、彼女の今回の選択を変節と見るか、ポジティヴな変身と見るかは人それぞれでしょう。ただ、野党に協力を仰がざるを得ない状況を踏まえて、減税と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」など、野党の政策も積極的に取り込む姿勢も見せている。このあたりの姿勢について、課題とされていた“柔軟性”を示そうとしている、と受け止められたならば現時点では成功ではないでしょうか」(同)

デイリー新潮編集部

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