フライング「高市早苗」 サイレント期間中に熟考した”変身”作戦とは 【自民党総裁選】
自分に何が足りなかったのか
自民党総裁選(22日告示、10月4日投開票)は5人の候補者で争われることになった。残りの4人と違って唯一の女性である高市早苗元経済安保相は出馬会見を行った19日までメディアの前で「出馬への意欲」などを直接語ることはほぼなかった。この“サイレント期間中”に熟考した目玉政策があるとされるが、それはいったい?
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昨年の総裁選で高市氏は1回目の投票で1位となったが、決選投票で石破茂氏に逆転されて涙をのんだ。1回目は高市氏:議員票72、党員・党友票109、石破氏:議員票46、党員・党友票108だったが、決選投票で石破氏:議員票189、都道府県連票26、高市氏:議員票173、都道府県連票21と覆った。
「石破氏から打診された総務会長ポストを断って捲土重来を期し、“自分に何が足りなかったのか”についてずっと深く考えてきたようです。魅力的なポストは首相以外なかったのかわかりませんが、特にポストに就かなかったのは“石破政権は短命に終わるから関わらないのが賢明”との見立てもあったのかもしれません」
と、政治部デスク。
掘り起こした地方党員との関係性
今のところその見立ては当たっていたと言えるのかもしれない。昨年の総裁選の1回目の投票で高市氏は党員・党友票で石破氏をしのいだ。「ここまでの人気か」と党内外をサプライズで包んだが、党員30万人にリーフレットを配布したことが結果につながったと指摘する声は大きいようだ。
「“高市早苗です。いつもご支援ありがとうございます。といったメッセージが自宅に届いてとてもうれしかった”といった反応はものすごく多かったようです」(同)
この配布自体がルール違反じゃないかといった批判の声も当時、党内からあがっていたわけだが、「ルールから逸脱しない範囲だ」ということで収まったようだ。
「高市氏は去年の総裁選で敗れた時点で“次の総裁選は近い”と見ていたようですから、せっかく掘り起こした地方党員との関係性をキープしてきたはずです。石破氏が獲得した党員・党友票の行方はもちろん注目ですが、高市氏は今回も党員・党友票では強い、あるいは相当強いかもしれません」(同)
仲間・基盤づくり
総裁選を意識しすぎたのか、高市氏は参院選投開票日の2日前の7月18日、「私なりに腹をくくった。もう1回、党の背骨を入れ直す。そのために戦う」と応援演説で発言。必達目標に掲げられた「自公で過半数」を獲得できないのを見越し、「ポスト石破」への意欲をにじませたと受け取る向きもあった。意思表示にはちょっと早すぎたということで永田町では、“フライング早苗”などと呼ぶ人も出てきた。
それはともかくとして、あくまでも総裁選前だが、報道各社の「次の総裁に誰がふさわしいか」調査では小泉進次郎農水相とトップを争う状況だ。
「高市氏は“自分に何が足りなかったのか”と自問自答する日々だったと言いましたが、これはもう結論は出ていて“仲間・基盤づくり”です。前回の総裁選で仲間の少ない石破氏にさえ逆転されたというのはかなりショックだったようです」(同)
言うのは簡単だがやってみると様々な問題が噴出することも永田町の常のようで……。
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