巨人2位は“ほぼ絶望的”に…2連戦でDeNAに一泡を吹かせよ 「田中将大」200勝達成がダメなら来季は「金田正一さん」のようになるか【柴田勲のコラム】

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3位でハマスタ2連戦は非常に不利

 まあ、巨人はチャンスで点を取るのが下手だね。21日も1回に4連打で2点を奪い、もう少し点が入ると思って見ていたら無死二、三塁から入らない。

 結局2点止まりだ。この試合、巨人は10安打しながら2点、中日は6安打で5点だ。今季はこんな試合が多かった。

 巨人が3位に終わったら、クライマックスシリーズのファーストステージはハマスタに乗り込んで戦うことになる。いまの状況では非常に不利だ。

 大事なのはチームに勢いをつけることだ。26、27日にはそのハマスタで2連戦がある。先発は山崎伊織、フォスター・グリフィンの順番だという。

 山崎は現在チーム最多の11勝をマークしている。どうしても慎重になるのかな。いい球を持っているのだが、3-2のカウントになることが結構ある。これでは球数が多くなる。5回を90球とか。6回くらいで降板する。

 球数を減らすことだ。そのためにも打者を早めに追い込む。何度でも言うが、投手の生命線は外角低めだ。ここでカウントを取って優位に立つ。

 いまのDeNA打線はどこからでも点が取れる。その打線に一泡吹かせてほしい。

打線はやっぱり岡本和真が頼り

 約2カ月にわたって長期離脱していたグリフィンは7月までに限ればDeNA戦は3勝0敗だ。19回を投げて防御率は0.00だ。これは期待できる。約2カ月休んでいたんだ。左腕をフル回転してほしい。

 打線はやっぱり岡本和真頼りになる。主砲の一発が出れば活気づく。

 確かに東克樹、アンソニー・ケイらのDeNA先発陣は強力だし、中継ぎ陣もいい。ケイなんて15日の試合を見ていたら、巨人打線は打てる気がしなかった。

 それでもチーム一丸となって戦ってもらいたい。クライマックスシリーズで勝つためには勢いが必要だ。

 23日の広島戦(マツダ)は戸郷翔征が先発だ。相手は5位に沈んでいるとはいえ、マツダスタジアムでの対戦はどうも分が悪い。だが、この鬼門を突破すれば24、25日はゲームがない。じっくり休養を取って26、27日の連戦に備えてもらいたい。

 大いに注目の連戦になりそうだ。願うのは6戦全勝だが-- 。

(※1)DeNAの2位確定は最短で26日。23日にDeNAが阪神に勝ち、巨人が広島戦に負けて、26日の直接対決でDeNAが勝つと、2022年以来の2位となる。

(※2)1969年、巨人は10月9日に優勝を決めた。翌10日、後楽園球場での中日戦。巨人の先発は城之内邦雄、川上哲治監督は3対1とリードしていた5回から400勝目前の金田正一をマウンドに送った。金田は5回を3人で片づけた。6回1死を取ったところで一発を浴びて1点差となったが巨人打線が援護、9回まで投げ切り7対2で勝利投手となった。投げ合ったのは星野仙一だった。400勝達成した金田は11月30日に引退を表明した。(敬称略)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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