「AIに仕事を奪われる!」には半信半疑だったけど…面倒な作業をAIに頼んだネットニュース編集者が「あ、これは本当に奪われるかも」と感じた理由
AIについて、「仕事を奪われる!」と懸念の声が出る昨今だが、確かにそうだな、という経験をした。あまりにも面倒くさい作業を人間にお願いするのではなく、AIに頼んだら、無料で解決できたのである。
恐らく人間に頼んだら3000円か5000円を支払わなければいけなかっただろう。いや、単純作業であり、大したことはないのだが、とにかく相手が人間であれば金銭が発生する。だが、AIさんに頼んだら無料だったのである。一体どのような作業だったのか。これを記す。【中川淳一郎/ネットニュース編集者】
【これは心が折れるかも】中川淳一郎氏がフォルダを開いて“そっ閉じ”してしまったwordファイルの圧倒的羅列
気の遠くなる作業が…
私は現在、書籍を作っている。2018年から連載している某雑誌の連載をまとめた本を作るのだが、各原稿に対して「補足」として200文字ほどの解説を加える作業をすることとなった。
しかし、この作業がとんでもなく自身にとってストレスになった。私はマルチタスク的なことが苦手である。そのため、作業をしなくてはならないことは分かっていたのだが、その作業用のフォルダーを開けると途方に暮れたのだ。状況を説明する。
担当編集者からは約100本の私が書いたWord文書のファイルが、一つのフォルダーに収録されて送られてきた。そのフォルダーには「タイトルリスト」という名前のファイルも入っており、そこにすべての原稿のタイトルが書かれている。
担当者からの依頼はこのタイトルリストの後に「★」がついているものについて、200文字の「補足」を書いてほしい、というものである。となると、作業としては【1】★がついたファイルを見つける【2】そのファイル内の文章を読み返す【3】解説を書く――実にシンプルである。
だが、私は【1】の段階で途方にくれてしまった。大量に並んだWordのファイルを目の前にすると、どれを開ければいいのかがわからなくなってしまったのだ。「そんなの簡単じゃんw」と言いたい人の気持ちは分かる。だが、私はあなたのようにコレを簡単だと思えない人間なのである。とにかくこの大量のアイコンを見るだけで気が狂いそうになったのだ。
さらに、私はWordのフォーマットは「横書き一段」というのが一番快適。しかし、もらったフォーマットは「縦書き二段」だった。とにかく自分が慣れ親しんだフォーマット以外のWord文書を読むのはストレスである(ワガママなヤツだな)。これを読みやすくするためWordの「レイアウト」機能をいじり、「横書き一段」に変更するのだが、変更すると一行が54文字になる。私は「40文字」が心地よい。
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