「日本人は陰鬱」「やはり卑劣な民族」 韓国で大炎上した世界陸上のワンシーン

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 東京で開催している世界陸上。その最初の種目となった35キロ競歩で笑うに笑えないことが起きていた。

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“1周少なく”ゴール

 2キロの周回コースを16周した勝木隼人(34)が3位で国立競技場に戻るときのことだ。中継を再現しよう。

解説 勝木選手が、銅メダルがこのままいけるか。後ろとの差、気を付けてほしいですね。後ろ……あっ!

実況 これは韓国の選手!

 すぐ後ろにキム・ミンギュ(26)が迫っていたのだ。

実況 銅メダル争いも過酷な状況です!

 海外の英語中継でも「韓国選手、信じられません! 自己ベストをはるかに上回っています!」と興奮気味に実況していた。

 結局、勝木は3位をキープし銅メダルを獲得した。キムの結果は、中継では伝えられなかったが、5番手でゴールしていた。

「ところが、公式記録ではDNF(途中棄権)になってしまったのです」

 と、韓国に詳しいライターが明かす。

 実はキム、勝木とは周回遅れで、1周少なくゴールしていたのだ。ただ問題は、なぜそんなことになったか、である。

「中に入るようにジェスチャーされた」

 この一件、国内では報じられていないが、かの国ではKBSなどのテレビ各局、スポーツ紙のスポーツソウルなど、各媒体がこぞって報じて大騒動となっている。

 キムがMBCテレビに語ったところによると、

「もともと直進しようとしたのですが、(スタッフに)中に入るようにジェスチャーされました」

 たしかに中継映像でも、勝木とともにキムを競技場に誘導するスタッフの姿が確認できる。ゆえにSNSは、〈日本人は陰鬱〉〈わざとに違いない〉〈やはり卑劣な民族〉〈復讐のつもりか〉といった過激なコメントが溢れている。

 ただ、SBSテレビによると、韓国陸上連盟が抗議した際、大会組織委員会は、結果こそ覆らないものの、技術的な問題が生じたことを認めたという。

 キムも「27キロ過ぎで電子チップに不具合が生じたらしい」と語っている。靴に装着された、周回を数えるためのチップが誤作動し、スタッフが彼を先頭集団と勘違いした――MBCはこのように解説している。ならばお気の毒というほかないが、先のライターは、

「今大会に韓国の選手はたった8人しか出場していません。しかも、彼はこの種目で韓国初の世界陸上出場を果たしていました」

 2007年大阪大会でも、日本人選手に同じことが起きて途中棄権とされた。両国間の実力差は明白で、故意と断じる見解は言いがかりでしかないが、これがもし実力伯仲のメダル争いをしていたら、国際問題に発展していたかもしれない。

週刊新潮 2025年9月25日号掲載

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