“全身がん”告白後の「樹木希林」が明かした死生観「面倒臭いから独りで逝きたいわよ」

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75年かけて演じた「樹木希林という人生」

 ところで、UTAについて聞いたのは、亡くなる2カ月半ほど前。この時もNHKの収録中に時間を割いてくれたのだ。7月29日には、

「アメリカのイベントから帰ってきたばかりで、本当にくたびれてるんです。新潮さんの取材にはなるべく出るようにしてるんだけど、本当に体調がすぐれませんから、すみません」

 と、疲弊しきった声で電話に出てくれた。また8月15日には、

「何日か前に骨折して、集中治療室にいるんです。特別に許可もらって、電話を持ち込んでるんですけどね。ごめんなさい」

 掠れた消え入りそうな声の応答が、彼女と週刊新潮の最後のやりとりになった。本誌記者は掠れ声を演技かと疑ったそうだが、その1月後、樹木は帰らぬ人となった。だが、その声も演技だったと言ってもウソにはなるまい。彼女は特異な人生訓を発しながら、樹木希林という人生を75年かけて演じた、まさに全身女優だったのだから。

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「『こっちの借金を払っといてくれ』とか平気で言ってくるんですよ」――。第1回【「30数年間、あたしに1円もくれませんね」…「樹木希林」が明かしていた「内田裕也」との仲 連絡手段がFAXだった理由とは】では、夫・内田裕也さんとの“付き合い方”を明かしている。

デイリー新潮編集部

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