“全身がん”告白後の「樹木希林」が明かした死生観「面倒臭いから独りで逝きたいわよ」

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治療中でも当たり前の生活を送りたい

 樹木が受ける、放射線を4次元レベルでピンポイント照射する治療法に疑義をはさむ人がいて、17年4月に問いかけた時の返答にも、樹木の人生観が強くにじんでいた。

「(その治療法を)あたしが宣伝してると思われてしまったら困るんです。治療法が合うかどうかは、また別の話じゃないですか。でも、このおばあさんが死なないものだから、みな、いいんじゃないかと思うわけよぉ。それが困っちまうのよ。

 あたしはとにかく、薬に用心深いんですね。風邪薬でもなるべく飲まない。もちろん抗がん剤を否定してるわけじゃないけど、あたしは飲みたくない。抗がん剤で髪の毛が抜けたり、生活の質を下げてまで治療するのは、どんなもんかなぁと。気持ち悪い日常生活を送りながらは嫌だってことですね。食べたいものを食べて、飲みたいものを飲んで、当たり前の生活を送りたい。でも病気は人それぞれですからね。他人のやり方に水を差すつもりも、自分の通ってるところを宣伝するつもりもありません」

「人それぞれ」を強調するのも樹木らしい。もっとも、孫のことだと、そうも言っていられなかった。

モノをわざわざ買ったりしない

 娘の内田也哉子と本木雅弘の長男、モデルのUTAについて聞いたのは、昨年6月28日だった。

「外国に行ったら、なんていうのかしら、ゲイになるチャンスがいっぱいあるじゃない。親と離れて暮らしてるわけだから、おばあさんのあたしは、そういうおバカな心配をしてたの。そうしたらこないだ、『彼女の家でカレー作った』なんて言うから、よかったなと思ったの。あたしが教えたのをそのまま作ったんだって。でも、もうお付き合いはやめましょうってフラれちゃったみたい。おばあさんのあたしが弱くて気立てが悪いもんだから、『丈夫で気立てのいい子がいいんじゃないの』とは言ってますよ」

 目を細めて語る普通の祖母だが、女優らしいアドバイスもしていた。

「洋服をただ着ればいいという考えは、あたしはあんまり好きじゃない。特段見せびらかす必要はないけど、服を選ぶというのは自分の気持ちの表れでもあるから、(UTAは)まだ服を選ぶには経験が浅すぎるから、モデルの仕事の場で、いろんな洋服を着せてもらうというのは、いいチャンスですね。いろんな服を着ることによって、自分を俯瞰して見ることができる。そうして自分というものがわかってくると思うんです」

 ちなみに、樹木自身の服については、15年5月に語っていた。

「あたし、モノをわざわざ買ったりしないの。今着てるワンピースは、知人から箪笥の肥やしになっていた着物をもらって作ったものだし。この5月、カンヌ国際映画祭の開会式に出席したんですけど、その時に着たワンピースも、2千円で買った貸衣装の留袖を友人に仕立て直してもらったものなんですよ」

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