WBC連覇に難題山積 侍ジャパンの気になるチーム編成は…メジャー組を招集できるのか?「ショート」と「抑え」は誰が担うのか?

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 来年3月に行われる第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)。侍ジャパンには連覇の期待がかかるが、先日気になるニュースが飛び込んできた。日本国内の放映権は、Netflix(ネットフリックス)の独占配信となり、地上波放送は消滅する見込みだ。これを受けてNPBは対応を協議すると発表されたが、これまでのようにファンが全試合をリアルタイムで無料視聴できる可能性は極めて低い。【西尾典文/野球ライター】

難しいポジションはショート

 さて、野球ファンにとっては、侍ジャパンのチーム編成が気になるところだ。前回大会と同様に大谷翔平(ドジャース)ら現役メジャー選手が出場できるように、侍ジャパンの井端弘和監督が何度も渡米するなど、ベストメンバーを組むために活発に動いている。

 特に編成を難航させているのは、このオフに日本からメジャーへ移籍する選手の交渉だという。メジャーの事情に詳しい在京スポーツ紙の記者は、こう話す。

「前回大会では、オフに移籍した吉田正尚(レッドソックス)が本人の強い意向で出場しましたが、千賀滉大(メッツ)の招集は見送られました。それを考えると、このオフにメジャー移籍が決定的となっている村上宗隆(ヤクルト)の招集は難しいかもしれません。村上は今季、コンディション不良で長期離脱を経験しているため、彼を獲得するメジャーの球団は、WBCに出場させたくないでしょう。村上本人がいくら出場を希望しても、希望が通らないことも十分考えられます」

 岡本和真(巨人)や今井達也(西武)もまた、このオフにメジャー移籍の可能性があると見られており、彼らが揃って招集できないとなれば、侍ジャパンには大きな痛手になるだろう。

 続いて、ポジション別の状況を見てみよう。どの選手を選ぶか、難しいポジションはショートだ。前回大会では、源田壮亮(西武)が大会期間中に指を骨折しながらも出場を続けて、見事な活躍を見せた。しかし、今年4月に右の太ももを痛めて一軍から離脱した。その後、復帰したものの、攻守ともに精彩を欠いている。
これまで経験を評価して源田を再びショートで起用することも考えられるが、今のパフォーマンスを見る限りでは、前回大会のような活躍は難しいだろう。

 では、誰にショートを任せるべきか。候補は、泉口友汰(巨人)と村林一輝(楽天)だ。

 泉口は2年目の今シーズン、開幕直後からショートのレギュラーにとして定着。開幕からヒットを量産し、セ・リーグの首位打者争いを演じているほか、広い守備範囲でも、チームをたびたび救うプレーを披露している。侍ジャパンの井端監督は、青山学院大時代から泉口を高く評価しており、今季のプレーぶりを考えれば、ショートの筆頭候補と言えるだろう。

 村林は、プロ入り8年目の2023年に一軍に定着した遅咲きの選手だ。昨年は139試合に出場し、初めて規定打席に到達した。ショートの守備では、捕殺数と刺殺数でリーグトップになっている。

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