WBC連覇に難題山積 侍ジャパンの気になるチーム編成は…メジャー組を招集できるのか?「ショート」と「抑え」は誰が担うのか?

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連覇への道は険しいが…

 今年は、ドラフト1位ルーキーの宗山塁が加入したことでサードに回ることが多いが、打撃面で大きく成長し、首位打者が視界に入る活躍を見せている。昨年オフに行われた「プレミア12」の代表チームにも選ばれており、泉口と並んで有力候補となりそうだ。

 一方、投手陣で気になるのは、クローザーだ。昨年の「プレミア12」で抑えを任せられた大勢(巨人)は今季、抑えからセットアッパーに配置転換され、好調時より少し安定感を欠いている。

 そうなると、真っ先に名前が挙がるのが、松山晋也(中日)だ。2022年の育成ドラフト1位で入団し、1年目から支配下登録されると、2年目の昨シーズンは41ホールドを記録する活躍で最優秀中継ぎ投手のタイトルを獲得した。

 守護神のマルティネスが巨人に移籍した今シーズンは抑えを任され、7月に怪我で離脱したものの、9月10日時点で40セーブをマークし、最多セーブのタイトル争いを繰り広げている。

 中日の球団関係者は、松山の強みについて、以下のように話している。

「自分の世界を持っているというか、とにかく集中力がすごい。マウンドに上がる前はチームメイトも簡単に声をかけづらいほどと聞きます。それだけ限界まで集中してマウンドに向かうので、イニングをまたいでの登板は厳しいようですが、逆に言えば1イニングであれば、国際大会で十分に力を発揮できると思いますね」

 ドラフト会議の前夜には、グラウンドのマウンドに布団を敷いて寝たという逸話の持ち主であり、常人にはないメンタリティもクローザーとしての資質と言えるだろう。

 WBC連覇への道は、険しいものとなりそうだが、新たな選手が台頭して、再び日本中に興奮と感動を与えるような代表チームとなることを期待したい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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