村上宗隆と岡本和真がメジャー流出で“投高打低”が加速も…ドラフト戦線に浮上する「スラッガー候補」7人の実名
近年のプロ野球は、“投高打低”の傾向が顕著になっている。今季、9月9日時点で規定打席をクリアして打率3割を超えている打者は、広島の小園海斗と楽天の村林一輝だ。ホームラン30本以上を放っている選手も阪神の佐藤輝明しかいない。それに加えて、セ・リーグを代表する強打者であるヤクルトの村上宗隆と巨人の岡本和真がオフにメジャー移籍する可能性もあり、日本球界は“投高打低”がさらに加速する状況に陥りかねない。【西尾典文/野球ライター】
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ドラフト1位で指名される可能性も
そうなれば、ドラフト候補から新たなスラッガーの出現を期待したいところだ。筆者は、デイリー新潮に寄稿した9月8日の配信記事で、複数球団がドラフト1位で競合すると予想される創価大の強打者、立石正広を取り上げたが、彼以外にも楽しみな“大砲候補”は少なくない。
まず高校生から見ていこう。昌平の三塁手、桜井ユウヤだ。彼はタイ出身の両親を持ち、中学時代から評判の選手だった。高校入学直後からレギュラーの座をつかみ、その年の夏の埼玉大会で早くも2本の本塁打を放った。
関東地区担当スカウトは、桜井の魅力について、以下のように話す。
「とにかく、バットがよく振れる選手だ。少し強引なところはありますが、打球の速さや飛距離は、今年の高校生のドラフト候補の中でトップクラスでしょう。レフト方向に引っ張る打球が多かったのですが、徐々にセンターや右中間にも強い打球を打てるようになってきました。もう少し、力を抜いて打てるようになれば面白いと思いますね」
今年の夏の埼玉大会は惜しくも決勝で敗れ甲子園出場を逃したが、打った瞬間にそれとわかる特大ホームランを左中間のスタンドに叩き込んだ。大会7試合で打率5割、長打6本と見事な成績を残した。
続いて、大学生だ。法政大の三塁手、松下歩叶がスカウト陣に注目されている。東京六大学野球では、現役選手として最多の通算10本塁打をマークしているほか、2年秋は二塁手、3年春と秋は三塁手で、それぞれベストナインを受賞した。
大学日本代表で主将を任された松下は、7月に行われた日米大学野球選手権に出場した。5試合で打率.318、1本塁打、5打点という好成績を残し、最高殊勲選手賞(MVP)に輝いた。
打球に角度をつける能力が高く、打った瞬間にホームランだと分かるような当たりが多い。下級生の頃は、バッティングに粗さがあった。しかし、3年秋と4年春は打率3割以上をマークし、対応力が向上している。加えて、内野のどこでも守れる守備力を備えているため、ドラフト1位で指名される可能性が浮上している。
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