「全財産を処分しても払えない」 港浩一氏&大多亮氏「フジ50億円訴訟」はどうなるか 「“自己破産”の可能性も」 

エンタメ

  • ブックマーク

 フジテレビが「中居騒動」の幕引きに動き始めた。前社長らを提訴して“ケジメ”をアピールする裏で、裁判の行方については非情な結末も予想されている。

 ***

あえて個人では払えない額に設定

 8月28日、フジは港浩一前社長(73)と大多亮元専務(66)の二人に対し、計50億円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。

 フジ局員が解説する。

「二人については今年3月、いわゆる中居問題を巡って設置された第三者委員会公表の調査報告書内で、〈極めて『思慮の浅い』経営判断の誤りを犯し〉、会社法上の善管注意義務を怠ったと指弾されていました。法的責任の追及に向けた動きは、すでにこの時から始まっていたのです」

 同報告書では、2023年6月に元タレントの中居正広氏(53)から同局の元女性アナウンサーが「性暴力」被害に遭ったと認定。港・大多の両氏は同年8月に報告を受けながら「プライベートな男女間のトラブル」と即断し、調査など必要な措置を一切講じなかった。

「関係者を震え上がらせた50億円という数字は、一連の騒動でCMスポンサーの離反が相次ぐなどして被った損害額約453億円の一部を請求したものです。あえて個人では払えない額に設定することで、新生フジの覚悟をアピールしたといわれます。生涯年収が“5億円を超える”とささやかれる二人にしても、それほどの蓄財があるはずもない。社内では“フジの黄金期を築いた功労者への仕打ちにしてはひど過ぎる”と同情する声も出ています」(同)

二人の“資産”

 二人の主な資産として、港氏は都内・南麻布にマンションを、大多氏は台東区に一軒家を所有する。近隣の不動産業者によれば、資産価値はそれぞれ「1億~1億5000万円程度」だという。

 経営陣が訴えられる事態に備え、フジは役員等賠償責任保険契約を締結しているが、今回の訴訟は「保険適用の対象外」だとアナウンスされている。

 企業ガバナンスに詳しい青山学院大学名誉教授の八田進二氏が言うには、

「二人の全財産を処分しても到底払えない額であり、通常であれば自己破産を迫られるケースです。しかし、双方ともに長期にわたる裁判を回避して、和解で終結する可能性が高いと思っています。フジ側も50億円を取り立てられるとは想定しておらず、海外ファンドや株主に向けたアピールといった面が多分にあると思われます」

 気になる和解金額については、

「二人がギリギリ払える額を見極めていくはずで、請求額の数%、例えば1億円程度を上限として交渉が進むのではないでしょうか。“そんな甘い手打ちは株主が許さない”との声も出そうですが、和解金額を開示する法的義務はフジにはありません。ただし処分できる資産を全て処分しても和解額に達しなければ、やはり自己破産を選ぶことになるのでは」(同)

次ページ:中居正広氏への提訴の可能性

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。