米国代表に「0-2」で完敗…森保ジャパン“ベストメンバー”と“リザーブチーム”の埋めがたい実力差 これ以上の選手層の拡充は必要か

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選手層の拡充は不必要

 その攻撃陣に関しても、両ウイングバックと伊東純也は突破型の選手のため、前線でタメを作れないし、鈴木唯人はボールこそ奪われないものの、局面を打開することはできない。前半35分に伊東へ決定的なスルーパスを出したものの、見せ場はこれくらいだった。

 何も彼らが悪いと言っているわけではない。チームとしての経験不足に加え、アメリカのハイプレッシャーに戸惑ったとしても無理のないことだろう。

 試合終盤、森保監督は藤田譲瑠チマに代えて鎌田大地、前田大然に代えて三苫、さらに望月ヘンリー海輝に代えて町野修斗、小川航基に代えて菅原由勢を投入した。しかし残念ながら劇的な変化は起こらなかった。

 ベースとなるチームが、チームとして機能していなのだから、当然と言えば当然だろう。これが、ベストメンバーを先発に起用して、交代でリザーブチームの選手をピッチに送れば、まだ機能したはず。

 それだけベストメンバーとリザーブチームには大きな差があり、現状ではリザーブも2チームほど作れるくらい(ケガ人を含めれば)選手層は充実している。もうこれ以上、ラージグループを拡充する必要はないのではないか。どのチームがリザーブチームになるのか、わからないほどだからだ。

 森保ジャパンの次の試合は、10月10日のパラグアイ戦(吹田)と14日のブラジル戦(味スタ)である。果たして森保監督はどちらにベストメンバーを起用するのか。個人的には、涼しくなっているのであれば、2試合ともスタメンにはベストメンバーを起用しつつ、出場時間を調整して欲しいと思っている。

六川亨(ろくかわ・とおる)
1957年、東京都生まれ。法政大学卒。「サッカーダイジェスト」の記者・編集長としてW杯、EURO、南米選手権などを取材。その後「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。

デイリー新潮編集部

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