「“オレは捕まらない”と豪語していた」 秘書給与詐取疑惑で辞職した「維新」元議員のウラの顔

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自民党の“裏金問題”を厳しく批判

 8月に共同代表が交代し、党勢回復を模索する日本維新の会が揺れている。言うまでもなく、震源は石井章前参議院議員が議員辞職に追い込まれた、公設秘書の給与詐取疑惑である。

「東京地検特捜部は、参院選が行われた7月の下旬から、石井事務所の関係者らへの聴取を始めていました」

 と言うのは政治部デスク。

「石井氏の議員会館事務所などに家宅捜索が入った8月27日から、わずか2日後の午前、執行部は彼を除名処分とした。迅速な対応は強い危機感の表れです」(同)

 茨城県出身の石井氏は地元で20年近く町議や市議を務めた後、平成21年の総選挙に旧民主党から出馬して初当選。が、以降は衆参で3度の落選を経験し、国政復帰は維新から出馬した平成28年の参院選だった。

 維新の同僚議員によれば、

「たたき上げの親分肌で、若手の面倒見も良かった。自民党派閥の裏金疑惑を“自民党の古い体質、古い政治を壊す勢いで戦うんだ”と厳しく批判していたので、今回の件はあまりに意外」

「オレは捕まらない」

 その石井氏は、過去にも選挙活動や政治資金に関する問題を指摘されていた。

「4年前、石井氏が代表を務める県総支部が、党本部から受領した約200万円を政治資金収支報告書に記載していなかったと報じられました。その翌年、毎年末に地元秘書らが支持者に餅やレンコンを届けていたこと、さらにその1年後も、秘書が経営する会社の家賃を県総支部が肩代わりしていた疑惑が明るみに出ました」(前出の政治部デスク)

 石井氏は社会福祉法人の理事長を務めており「カネに困っていた印象はまったくない」(維新幹部)との声は少なくないが、古くから石井氏を知る人物は言う。

「彼の頭は選挙資金のことばかり。地方の宗教団体とか、まとまった票を見込める有力組織に支援を請うのが石井流だから、その費用の捻出が狙いだったんでしょう。常々“オレは捕まらない”とうそぶいていましたが、何が根拠だったのか……」

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